「自分に才能はあるのだろうか」と悩んだことや、「才能を見つけなきゃ」と必死になったことは誰にでもあるだろう。
言語学者で明治大学教授の堀田秀吾さんは「じつはすべての人にあります。でも、自分の才能に気づけている人は、ほんのわずかしかいません」と語る。
才能は生まれつきなのか、努力で伸ばせるのか。スウェーデンの双子研究から見えてきたのは「自分の素質が生きる場所を見つける」ことの大切さだった。著書『5日で自分の才能が見つかる本』(祥伝社)から一部抜粋・再編集して紹介する。
才能は生まれつき?身につくもの?
才能は生まれつき決まっているのでしょうか。それとも、努力であとから身につくものなのでしょうか。
とても古い問いですが、いまだに答えが出ずに論争が続いています。1万時間練習すれば誰でも一流になれるという人もいます。
いやいや、生まれ持った素質ですべてが決まるのだという人もいます。この対立に一石を投じてくれた双子の研究を紹介します。
【世界の才能研究より】
カロリンスカ研究所のモシングらは、スウェーデンの双子レジストリに登録された約1万500名の双子を調べました。1人ひとりについて、音楽の練習時間と音楽の力のつながりを分析したのです。
双子の研究は、生まれつきの影響と育った環境の影響を分けて見るのにぴったりの方法です。遺伝子をほぼ100%共有する一卵性双生児と、約半分を共有する二卵性双生児をくらべます。二組の似ぐあいの差を見ると、その性質がどれくらい遺伝で決まっているかを見積もれるのです。
モシングらは、こんな問いを立てました。「もし練習が音楽の力をぐんぐん伸ばすのなら、同じ家庭で育った一卵性双生児のうち、たくさん練習したほうが力も高くなるはずだ。さて、本当にそうなっているのか」と。
練習を続けることも「素質」の影響
この分析から、世間で広く信じられている「練習がすべて」というお話を大きく揺さぶる結果が出てきます。

