今後30年以内に70%の確率で起こるとされる首都直下地震。その時、電話やインターネットなどの通信環境はどうなってしまうのか。平常時の今こそ知っておくべきポイントをNTT東日本株式会社災害対策室の廣瀬隆之室長、同社防災研究所の笹倉聡所長に聞いた。
東京の通信は災害に強い?
――2011年3月11日に起きた東日本大震災の際、通信はどのような状況になりましたか?
廣瀬室長:
当時、やはり多くの方が一斉に家族や知人の安否確認を行なったため、通信が大変混み合う状況になりました。NTT東日本が提供している固定電話にも、平常時に比べて8〜9倍ぐらいの通話が被災地へ集中しました。そのため、何度電話してもつながりにくいという状況が、広範囲で発生しました。
また通信設備そのものも大きな被害を受けました。通信ビル(通信を処理する装置「交換機」などを配備したビル)は16ビルが全壊、12ビルが浸水するなど、385ビルが機能停止となりました。これによって、約150万回線の通信サービスが利用できない状況となりました。
――もし今後、首都直下地震が発生した場合、通信はどのようになると予想されますか?
廣瀬室長:
首都圏は非常に人口が集中しているため、発災直後は東日本大震災と同様、やはり安否確認のための通話やメッセージなどの通信が急増することが想定されます。そのため電話がつながりにくくなったり、インターネットを介したSNSやメッセージアプリが遅延したりするケースが考えられるでしょう。
通信ビルや通信ケーブルなど通信設備そのものが被災することで、通信への影響が及ぶことも考えられます。
ただ、NTT東日本の通信ビルは、地震や火災、風水害への対策がなされており、例えば震度7クラスの地震でも壊滅的な被災を回避できるよう設計されています。また、東京などの都市は通信ケーブルを地下のとう道(道路の地下深く[深い場所で地下10〜50m]に張り巡らされたトンネル状の通信インフラ設備)に通しており、ケーブルが損傷しないよう災害に強いネットワークを構築しています。

