災害時用公衆電話やWi-Fiの無料提供も
――災害時、復旧までにはどのような応急対応が行われるのでしょうか?
廣瀬室長:
まず、避難所などでは、先ほど紹介した災害時用公衆電話や、複数の企業が協力してインターネット接続コーナーを設置し、無料で提供します。
東日本大震災の際は、災害時用公衆電話をのべ1202カ所、3930回線を設置し、通信回線の開通が困難な地域でもポータブル衛星などを活用して設置を行いました。
また、インターネット接続コーナーは450カ所に設置し、公衆無線LANサービス「フレッツ・スポット」も203アクセスポイントを無料開放しました。
またモバイル事業者も、基地局が被災した際の応急対応として、衛星設備を搭載した移動基地局車の派遣や、持ち運び型の衛星設備を設置するなどの取り組みを行っています。
――東京都と協働してインターネット環境を確保する取り組みも進めていると聞きました。
笹倉所長:
はい。2025年8月27日より、災害時の通信環境の確保などを目指して東京都とNTT東日本が公衆電話ボックスを活用した公衆Wi-Fiの整備を開始しています。
この公衆Wi-Fiは、安全性と利便性を兼ね備えた国際規格「OpenRoaming」に対応しています。2025年12月に第1号となる設備が新宿にてスタートしたのを皮切りに、今後、都内の主要駅周辺や公園などに3年間で約1500か所への整備を進めていきます。平常時にあらかじめお持ちのデバイスで利用登録をしておけば、有事の際にもスムーズに使えるでしょう。
大切なことは、いかにして日常から災害と向き合う社会を作っていくかだと思います。通信が社会のインフラになっている現代において、我々としては今後、災害時に自治体のサービスや地域の医療、福祉サービスをどのように維持できるかということにも取り組んでいきたいと思います。
一般のご家庭のみなさんも、災害時の備蓄を特別なものだと思わず、日常的に災害時を想定した購買行動を意識する、地域とのつながりを見直すなど、日常的に災害と向き合う暮らしを意識してもらえたらと思っています。
取材・文=高木さおり

