――携帯電話やインターネットについては、災害時にどのような通信への影響があるのでしょうか?

笹倉所長:
災害時には、携帯電話の通話も固定電話と同様に、広範囲の基地局エリアからの通信が集中するため、複数の基地局において通信が制限されます

携帯電話のモバイル通信も基地局を介して行われるため、インターネットの通信速度が低下します。さらに通話については、基地局や伝送路、電源などが被災した場合にも、通話やモバイル通信に影響が出る可能性があります。

また、基地局自体が被災したり、伝送路である光ファイバーが断絶した場合も、通話やモバイル通信によるインターネットに影響が起こります。

ほかにも、停電によってルーターが使えなくなることでWi-Fiや有線LANによるインターネットが使えなくなるという影響が考えられるでしょう。

通信制限は緊急連絡と公衆電話を優先するため

――災害時に電話がつながりにくくなる原因は何ですか?

廣瀬室長:
災害時は、通信ビルの交換機に処理できる以上の電話が一斉に集中します。これを「輻輳(ふくそう)」といいます。輻輳が起こると、通信事業者は通信制御を行います。交換機がシステムダウンして通信ネットワーク全体に影響が及ぶのを避けるためです。110番や119番などの緊急連絡を確保するため、一般の通話に対して最大80〜90%などの通信規制をかけるのです。

これは、ちょうど車が道路を一斉に通ろうとして渋滞が起きている状態に近いでしょう。渋滞が起きていたとしても、救急車や消防車、パトカーなどの緊急車両は優先的に通すよう交通整理をしなければなりません。通信ネットワークにおいても、これと同様です。

――一般の電話よりも公衆電話のほうがつながりやすいと聞きますが、本当ですか? 

廣瀬室長:
はい。街中の公衆電話は、災害時の重要な通信手段と位置づけられているため、一般の電話より優先的に接続される仕組みとなっています。ただし、災害時の状況によって必ずつながることを保証するものではありません。

(イメージ)
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また、公衆電話は災害の規模によっては無料化される場合があります。遠隔で公衆電話の設定を変えることで使用できるようになります。直近の事例ですと、2024年1月1日に起きた能登半島地震の際に公衆電話の無料化が行われました。

なお緊急通報ボタン(赤いボタン)がある公衆電話は硬貨またはカードが必要です。通話終了後、硬貨またはカードはそのまま戻ります。

つながりやすさについては、有事の際に避難所などに臨時で開設される「災害時用公衆電話」も同様です。被災住民のみなさんの通信手段の確保のため、また帰宅困難者の連絡手段を確保するために開設され、無料で使用することができます。