2011年の東日本大震災では、交通機関の停止により首都圏で働く多くの人々が徒歩での帰宅を余儀なくされた。しかし、今後起こる可能性が指摘される首都直下地震などの場合、東日本大震災の時と同じように徒歩帰宅をすると、重大な二次災害が起こるリスクがあるという。大都市の防災対策について研究する東京大学教授の廣井悠さんに聞いた。
徒歩で帰れる人=帰宅困難者ではない
首都直下地震が発災した場合、数百万人に及ぶ帰宅困難者が発生すると想定されています。
帰宅困難者とは、内閣府では次のように定義されています。
・帰宅断念者:自宅が遠距離にあるなどの理由により、帰宅できない人
・遠距離徒歩帰宅者:遠距離を徒歩で帰宅する人
この定義から考えると、歩いて帰宅できる近距離に自宅がある人は、帰宅困難者には当たらないといえます。ただし、帰宅困難者の定義は自治体によって異なります。
例えば、東京都では、都内の職場に出勤している人が被災した場合、自宅が近距離であっても帰宅せず、職場または職場付近の安全な場所に留まることを推奨しています。つまり、ほとんどすべての人が帰宅困難者になる可能性があるというわけです。
原則としては「帰宅断念者」「遠距離徒歩帰宅者」が帰宅困難者に当たりますが、被災した場所や状況によって定義は異なると覚えておきましょう。
東日本大震災時に徒歩帰宅できた理由
内閣府の推計によると、東日本大震災での首都圏全体での帰宅困難者は515万人にのぼりました。

