大きな災害が発生した際は、つい焦って何度も電話をかけてしまいがちだ。しかし、この行動は、つながりにくさから焦りが増すだけでなく、消防や救急などの緊急の通信環境に影響を与えることをご存知だろうか。では、どのような連絡手段を取るのがベストなのだろうか。NTT東日本株式会社災害対策室の廣瀬隆之室長、同社防災研究所の笹倉聡所長に解説してもらった。

何度もかける・長電話はNG

――災害時の連絡手段として控えるべき行動はありますか?

笹倉所長:
具体的に控えていただきたいのは、電話がつながらない時に、何度も何度も繰り返しかけてしまうことや、長時間の通話などです。

災害が起きると被災地に安否確認で電話が集中します。やはり人間は心理的に電話をかけたくなることは否めません。もちろん「電話を控えてください」とは我々からは言えませんが、適切な形で安否確認をすることは意識していただけたらと思っています。

なぜなら、通信は現代社会の生活におけるインフラです。警察や消防、救急もそうですし、物資の輸送などの物流や小売店などの流通もすべて通信によって成り立っています。災害時にはそのような社会生活を途絶させないことがとても重要なのです

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皆さんが同じ思いで電話を使ってしまうと、社会生活が止まりかねません。被災地で何が起きているかを想像して、少し落ち着いて待っていただくとか、焦らない行動をしていただきたいなと思います。

――電話がつながりにくい時間はどの程度続くのでしょうか?

廣瀬室長:
まずは発災直後にはなると思います。ただ、それがどのくらいまで続くかは、災害による影響の度合い次第で変わるため、一概に「どのくらいの時間」とは言い難いのが事実です。

笹倉所長:
また、災害時の通信に関して時間帯はあまり関係がなく、「何時頃ならつながりやすい」とも言えません

どうしても電話をかけたくなるのは人間の心理として仕方がないことです。ただ、被災地に通話が集中すると現地の通信ビルにある交換機(通信を処理する装置)に規制をかけることになります。東日本大震災の時にもその規制をかけさせていただきました。通信制限は、通信量の変化に応じて順次緩和していきますが、この規制がいつ全解除になるかはわかりません