物価高が続くなか、福井県内で万引きによる被害件数はここ数年で急増している。あるホームセンターでは店全体の被害の約8割は高齢者による食料品の万引きだという。対策に頭を悩ませる現場を取材した。

「月1回は必ず被害がある状況」

福井・越前町にある大型ホームセンター「ヤマキシ朝日店」では後を絶たない万引き被害に頭を悩ませている。店では食料品や日用品など幅広い商品を扱うが、その至る所に万引きへの注意を呼びかけるポップが貼られている。

店内の至る所に注意喚起の表示が
店内の至る所に注意喚起の表示が
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店の担当者は「最近、非常に多くて月1回ぐらいは必ず(被害が)ある」と語る。

福井県内の万引き被害件数の推移
福井県内の万引き被害件数の推移

福井県警によると、県内の万引き被害はこれまで年間500件前後で推移していた。しかし2024年から大幅に増加し、去年は855件を記録。数年間で被害件数が1.5倍以上に膨らんだことになる。

変わった万引きの「顔」——高齢者が全体の8割

この店では以前まで、若者による万引きが多かったという。だが、ここ数年で状況は大きく変わった。「高齢者による食料品の万引きが特に目立つ」といい、店全体の万引き被害の約8割を占めるまでになっている。

高齢者による万引きが急増
高齢者による万引きが急増

手口も巧妙だ。担当者によると、食料品コーナーから人目の少ない場所にカートを移動させ、死角となるエリアでマイバッグの中に商品を入れるという。

“死角”になるところでマイバッグに商品を入れる手口
“死角”になるところでマイバッグに商品を入れる手口

物価高の影響か、万引きをした高齢者の中には「今晩のおかずにするため」と動機を話す人もいたという。

「店頭の分すべてを一度に持ち去られたことも」

被害は食料品だけにとどまらない。この時期ならではの商品も標的になっている。猛暑の中、屋外で作業する際などに重宝する「ファン付き作業服」だ。高価なものでは1着2万円ほどにもなるが、店頭にある分すべてを一度に万引きされたこともあるという。

店頭にあるすべてを一度に盗まれた事も
店頭にあるすべてを一度に盗まれた事も

現在、この作業服が並ぶ棚には柵が設けられ、南京錠が掛けられている。購入を希望する人は店員に声をかけ、その場で取り出してもらう仕組みに変更。高価な商品を守るため「ちょっとやそっとでは開けられないような状態」にまでする必要があるという。

監視カメラ、私服警備員……対策に費やされる時間とコスト

ほかにも、店ではさまざまな対策を講じている。人気の少ない場所にもくまなく監視カメラを設置したほか、精算済みの商品との混同を防ぐため、「マイバッグは御精算前まで折り畳んだままでお持ちください」と館内放送で呼びかけている。

マイバッグの管理について注意喚起
マイバッグの管理について注意喚起

さらに、私服警備員による店内巡回も実施し、対策に時間もコストも費やしている状況だ。
それでも、万引きを完全には防げていないのが実情だという。

店にとって死活問題になる万引き

担当者は「万引きは死活問題。なかなかゼロにはならないが、努力していきます」と語った。

福井テレビ
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