2026年7月現在、全国で過去最多を上回るペースで拡大している、致死率約30%という恐ろしい感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」。宮崎県内では2026年に入りすでに死亡事例を含む感染報告が相次いでいる。山林だけでなく「庭先」や「ペット」からも感染するリスクがあり、日常生活に潜む脅威への対策が急務となっている。
致死率30%の深刻な脅威
SFTSは、ウイルスを保有するマダニに噛まれることで感染する。人が感染すると、6日から2週間の潜伏期間を経て、発熱や激しい下痢などの症状が現れる。現在、有効なワクチンはなく、致死率は約30%に上る極めて危険な疾患だ。

感染状況は、2026年7月時点で、全国的に過去最多を記録した2025年を上回るペースで推移しており、特に宮崎県では2013年の調査開始以降、累計127件と全国最多の報告数を記録。

宮崎県内では2026年に入り、畑仕事をしていた60代男性が発症後に死亡する事例も発生しており、予断を許さない状況が続いている。
身近な場所に潜むマダニ
日常的に屋外作業を行う人々は強い危機感を抱いている。

林業に従事する末長征次さんは「ウイルスを持つマダニに嚙まれて発症すると、熱が出たり死亡すると聞いた。スプレーなどを使って予防している」と話す。

末長さんは作業時、長袖・長ズボンを着用し、靴とズボンの間にカバーを装着するなど対策を徹底している。
林業 末長征次さん:
服をはたいたり、スプレーして予防はしているが、家に帰って洗濯するとまだ服にダニがいたりして恐ろしいと感じたこともある。
マダニは山間部や草むらだけでなく、手入れされた庭や道路脇の草の中にも潜んでおり、日常生活の圏内にリスクが存在する。
医療機関での適切な処置
宮崎県内で報告数が多い背景について専門家は、温暖な気候と豊かな自然環境という条件に加え、県内の医師がダニ媒介の感染症に対して高い意識を持ち、診断を見逃さない体制が整っていることを挙げた。

また、マダニに噛まれているのを発見した場合、無理に引き抜こうとせず、速やかに皮膚科などの医療機関を受診することが重要と話す。

宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター 岡林環樹教授:
ダニが皮膚に頭をめり込ませて吸血の段階に入っているのであれば、まずはその時点でダニを取ってもらうという目的で、医者に行くことをおすすめします。
ペットを介した感染リスク
近年、猫や犬といったペットを介して人が感染するルートも指摘されている。

宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター 岡林環樹教授:
猫からそして犬から人にもうつるというような事例が分かってきて、非常にリスクがあるというようなことが新たに分かってきた感染症になります。

ペットを外出させた後は、ブラッシングなどでマダニの付着を確認することが大切だ。
宮崎大学では医師会などと連携し、ペットの感染状況から人への流行期を予測する研究も開始された。自分自身や家族、大切なペットを守るため、草むらなどの生息場所に入る際は裾を靴下に入れる、タオルを襟元に巻くといった対策の徹底が重要だ。
(テレビ宮崎)
