福岡県議会の議員2人が、自民党県議団の幹部に多額の現金を支払ったとテレビ西日本報道部に告発した問題。他の会派の元県議が取材に応じ、自民党が主催するゴルフ会で「接待を受けた」と証言した。
県議2人が支払った金額は2840万円
「カツアゲされたようなもの」。福岡県議会の吉松源昭・県議(58・糟屋郡選出 当選7回)が、7月4日に証言した『議長ポストを巡る金銭の授受疑惑』。

当時は、自民党に所属していた2020年の議長就任に際し「自民党県議団の幹部らに多額の現金を求められた」と打ち明けたのだ。

その金額は、就任への根回しのためだという、他会派も混ざった『マスターズ』や『蔵内会』と称したゴルフ代名目で1950万円。

また高級料亭での幹部5人との食事代49万円。更に『お車代』として1人50万円などだ。

当時、副議長に就任した江藤秀之・県議(66・飯塚市/嘉穂郡選出 当選6回)も取材に対し「500万円を手渡した」とテレビ西日本報道部に証言した。

両県議が支払った金額は2840万円にのぼるという。
スマホに残された生々しい音声
吉松県議は、幹部の1人である中尾正幸・現副議長(61 北九州市若松区選出 当選6回)とみられる人物から「現金の受け渡しを指示された」というやりとりを録音していた。

スマホには生々しい音声が残されている。
「あした、松本会長が『荷物』は預かります」

「ちょっとね、大金やけん、ね、管理しとかんと」

『松本会長』とは、松本國寛・県議(69・遠賀郡選出 当選7回)とみられている。
他会派の元県議「自民のゴルフ接待受けた」
この証言を巡り『マスターズ』と称される自民県議団主催のゴルフ会に参加したという他会派の元県議が、7月9日にテレビ西日本報道部の取材に応じた。

元県議は「接待を受けた。食事代や宿泊代、ゴルフ代のほか商品券をもらった」と証言したのだ。

吉松県議の証言通りであれば、議長ポストへの根回しのために、自民会派から接待を受けたことになる。
県議会の“ドン”は完全否定
「そういったことはございません」。一方、県議会の“ドン”と呼ばれる蔵内勇夫・現議長(72・筑後市選出 当選10回)は、疑惑を完全否定した。

「『蔵内会』は、プライベートの、いわゆる県議団の有志の会。もうひとつ『マスターズの会』というのは、僕の先輩から引き継いできた他会派とのゴルフ交流の会です」

「僕は、彼(吉松県議)をね、育ててきたつもりなんだ。彼はね、地元のJR篠栗線と福岡市地下鉄の相互乗り入れ、これをやるのが自分の仕事だとずっと言っていた。だからそれをやるために議長になりたいと」

「私は、支援をしてきたんですよ。どこで、ああなっちゃったのかね、残念です」
食い違いがみられる発言内容
蔵内議長をはじめ、一様に否定する自民県議団の幹部たち。ただ、その発言には食い違いもみられた。

高級料亭での食事代について蔵内議長は「我々5人、招待を受けましたので。(領収書?)招待を受けた時はありませんね」と吉松県議が支払ったと話したことに対し-、

中尾副議長は「割り勘です、割り勘です。(全員から会費を徴収?)いやいや、あとで会費を徴収するんじゃないですか?」と会見で「割り勘」を主張した。

蔵内議長が、証言を否定したことに吉松県議は「常に中尾さん等々は『蔵内議長(当時・相談役)に渡さなくてはいけない。立て替えてくれているから』とかいうことで言っていましたので…」

「全く、自分の名前が使われたなら、使われたと仰るべき」と話す。
専門家「法的責任を問うのは難しい」
県議会の主要4会派は、蔵内議長の指示のもと、外部の第三者による全ての県議への聞き取り調査を行うことを決めている。

この問題について、政治学の専門家、西南学院大学法学部の鵜飼健史・教授は「今回の事件に関しまして、法的責任という風なものを問うっていうのはかなり厳しいのではないかと。まずひとつは証拠の問題もありますし、あとは現実的な時効の問題ということがありまして」と話す。

一方で、今後は、調査にあたる第三者の人選に注目すべきだという。
「どういった経緯で、或いは、どういった経緯を持たれてる方かというところに対してですね、私たち一層、注目していくというところが差し当たり、あるべき課題かと思います」

県議会の議長ポストを巡る『政治とカネの問題』。今後、事態がどう動いていくのか、注目される。
(テレビ西日本)

