適正な体重と体脂肪率をキープして身軽でいることは、疲労に対処・順応する「疲労耐性」の向上にもつながるのです。

身体活動を増やす意識を持とう

エネルギーを多く消費してくれる身体活動の多くは立って活動しているとき、歩行しているときです。

太っている人は、そうでない人と比べて、歩行を含めて立って活動している時間(=身体活動をしている時間)が、平均で1日およそ150分も少なかったという報告があります(Levine,J.A.et al.Science,307,584-586,2005)。

食べすぎていなくても、身体活動を増やすことを意識することは大事です。それが体重と体脂肪率の適正化につながります。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上(歩行なら1日8000歩以上)行うことを推奨しています(65歳以上の高齢者は、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日40分以上(歩行なら1日6000歩以上)。

歩行以外でも、掃除機掛け、浴槽掃除、子どもや動物の世話などで、できるだけ活発に動きましょう。

フィジカルトレーナーとしてはぜひ何らかの運動をしてほしいのですが、まずはこの推奨ラインをクリアすることを目指して日常の身体活動量を増やしてください。

散歩でも、掃除や炊事といった家事でも、OK。太りすぎが是正できたら、疲れにくくなってきますよ。

【TO DO】
■1日のエネルギー消費を決めている要素を知る
■身体活動量を増やし、身軽になって「疲労耐性」を高める
■家事などで日常生活をできるだけ活動的に過ごす

『疲労回復の習慣』(日経ビジネス人文庫)

中野ジェームズ 修一
米国スポーツ医学会認定運動生理学士、スポーツモチベーション 最高技術責任者、フィジカルトレーナー協会(PTI)代表理事

中野ジェームズ修一
中野ジェームズ修一

米国スポーツ医学会認定運動生理学士、スポーツモチベーション 最高技術責任者、フィジカルトレーナー協会(PTI)代表理事。
フィジカルを強化することで競技力向上やけが予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。多くのアスリートから支持を得て、2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。早くからモチベーションの大切さに着目し、日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとしても活躍。東京・神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB 100」の技術責任者を務める。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。