5年ぶりの夏の甲子園出場を目指す盛岡大附。岩手県大会では、2024年、2025年と2年連続で決勝に進みながら涙をのんだ。第2シードの2026年も優勝候補として頂点を狙う。打線をけん引するのは台湾から海を渡ってきた主砲・許定捷選手。そして101人の部員をまとめる柳葉一路主将を中心に、悲願の甲子園切符獲得へ挑む。
あと一歩届かなかった夏
甲子園通算16回の出場を誇る盛岡大附は、県内屈指の実績を持つ強豪校だ。
しかし近年はあと一歩の壁に阻まれてきた。2024年、2025年と2年連続で夏の岩手県大会決勝へ駒を進めたものの、夢舞台への扉を開くことはできなかった。
先輩たちの姿を間近で見てきた柳葉一路主将(3年)は、「去年もおととしもあと一歩のところで敗れている先輩方の姿を見てきた。『二度と同じ景色を見ない』という気持ちを常に持っている」と話す。
悔しさを胸に3度目の正直へ。チームは得点力アップを掲げ鍛錬を重ねてきた。
台湾出身主砲の挑戦
盛岡大附の最大の武器は、伝統の強力打線。
その中心にいるのが台湾出身の許定捷選手(3年)だ。
春の県大会では打率4割7分8厘をマーク。中学時代には15歳以下の台湾代表にも選ばれた実力者だ。
許選手が盛岡大附を選んだ理由は、2021年夏の甲子園だった。
「2021年の先輩たちの甲子園の試合を(台湾で)見ていて、先輩たちみたいなバッターになりたくて盛附に来た」と話す。
この1年間は食事管理と筋力トレーニングに取り組み体重を10kg増やし、持ち前の力強いスイングにさらに磨きをかけた。
台湾にいる家族とも特別な約束を交わしている。
「父や母と約束して、甲子園に出場したら甲子園に来て応援してくれると約束した」という。
海を越えてかなえたい夢が、許選手の原動力になっている。
名門撃破のエース
投手陣を支えるのはキレのある変化球を武器にする須藤悠真投手(3年)だ。
6月に行われた智弁和歌山との親善試合で真価を発揮した。
甲子園で4度の全国制覇を誇る強豪を相手に9回を投げて1失点。完投勝利という結果を残した。
エースとして迎える最後の夏。
須藤投手は、「エースナンバー(1番)を頂いている以上、絶対甲子園に行けるようなピッチングができないと、もらった意味がない。自分がチームを勝たせられるピッチングをしたい」と力を込める。
その言葉には、チームを聖地へ導く決意がにじむ。
101人で目指す甲子園
盛岡大附の部員数は101人。その大所帯をまとめているのが柳葉主将(3年)だ。
自身はスターティングメンバーに入る機会こそ多くないが、広い視野と人間力の高さでチームから厚い信頼を集め、チームの一体感を生み出している。
柳葉主将は、「甲子園で勝つために集まってきた集団なので、甲子園で勝つためにふさわしい言動を心がけている」と話す。
柳葉主将の父は俳優の柳葉敏郎さん。大会のほとんどの試合に秋田から駆けつけ応援してくれるという。
心強いエールを背に、仲間たちと成し遂げるべき夢を胸に刻む。
主砲の許選手、エースの須藤投手、そして101人を束ねる柳葉主将。それぞれが異なる役割を担いながら目指すのはただ一つだ。
柳葉一路主将:
盛岡大附に入ったからには甲子園で勝つのは一番の目標。一戦一戦必死になって一戦必勝で頑張っていきたい。
「謙虚に、そして貪欲に」ーー5年ぶりの聖地へ盛大附属が快音を轟かせる。

