夏の高校野球岩手県大会で4連覇を目指す花巻東は、県内屈指の投手陣と強力な打線を武器に、再び甲子園への切符獲得を狙う。高校日本代表候補のエース・萬谷堅心投手や、高校通算45本塁打の赤間史弥選手・主将の古城大翔選手という主力3年生が、けがを乗り越えて集大成の夏に臨む。史上初となる夏の県大会4連覇へ。全国の舞台を知る選手たちが、最後の挑戦に挑む。
層の厚さ誇る投手陣
春夏通算で県内最多19回の甲子園出場を誇る花巻東。2026年の強さを支えるのが、歴代屈指ともいわれる投手陣だ。
チームには最速140キロを超える投手が4人在籍。春の県大会では4試合でわずか3失点と安定した投球を見せ、投手力の高さを証明した。
その中心にいるのがエースの萬谷堅心投手(3年)だ。高校日本代表候補に選ばれ、4月には代表候補合宿にも参加した。
萬谷投手は、「選手一人一人のレベルが高かった。自信がついたというより良い経験になったというか、これからの野球人生に生かせる経験だったので良かった」と振り返る。
エース萬谷の覚悟
萬谷投手はキレのある多彩な変化球を武器に、2025年夏の甲子園では優勝候補を相手に完投勝利を挙げた。
大舞台を経験した頼もしいエースがチームを牽引し最後の夏に挑む。
「自分がマウンドに上がったら、流れを引き寄せられるようなピッチングを夏にしていきたい」と話す萬谷投手。
新チーム発足以降、花巻東は県内の公式戦で無敗を継続。秋の東北大会も制した。
一方で、春は主力選手の故障が相次ぎ、東北大会では準々決勝で敗退。順風満帆とはいかないシーズンを過ごしてきた。
復活した2人の主砲
故障に苦しんだ主力の一人が、高校通算45本塁打を誇る赤間史弥選手(3年)だ。
5月下旬に背中の肉離れを発症したが、現在は回復。フリーバッティングでは豪快な打球を連発し、けがを乗り越え最後の夏へ闘志を燃やしている。
赤間選手は、「貢献することに徹したバッティングをしたい。夏は思いがぶつかり合う中での試合なので、まず気持ちでは負けないようにしたい」と意気込む。
さらに、主将の古城大翔選手(3年)も試練を乗り越えてきた。
元プロ野球選手の父を持つ古城選手は、4月下旬に足を骨折し約2カ月間にわたって治療に専念した。
それでも2週間ほど前から守備練習に復帰し、軽快な動きを見せている。
1年の夏から4番を任され、高校通算32本塁打を放つ古城主将は、「自分の1本でチームの流れや勝敗を左右する場面で、勝利に導けるような一打を打ちたい」と力を込める。
甲子園へ再び
花巻東は現在4季連続で甲子園に出場している。3年生は入学以来、すべての甲子園出場権を勝ち取ってきた世代だ。
萬谷投手は「毎回『また戻りたい』という気持ちはある」、赤間選手は「そこに『もう1回行きたい』という気持ちはある」、古城主将も「『何回経験しても戻りたい場所』ではあるので」と、それぞれ甲子園への特別な思いを語る。
もっとも、チームに慢心はない。
古城主将は「まず一戦に自分たちが持っているエネルギーを全て出して、一戦必勝で最終的に優勝を目指せるように頑張りたい」と話す。
甲子園への強い思いを胸に、史上初となる夏の岩手県大会4連覇へ挑む花巻東。新たな歴史を刻もうとしている。

