「勝つために練習してきた。応援してくれる人に感謝を伝えられるよう恩返し出来るように頑張りたい」——そう語ったキャプテンの言葉どおり、鹿児島銀行レジオンウィングスは地元の声援を力に変え、最終戦を勝利で締めくくった。
9人制バレーのトップリーグを戦う、鹿児島の女子社会人チーム
鹿児島銀行レジオンウィングスは、9人制バレーボールのトップリーグ「V9チャンプリーグ」に参戦する女子社会人チームだ。全国8チームが総当たりで競うこのリーグに、発足から38年目を迎えるチームが名を連ねている。

6人制と同じコートの広さで行われる9人制バレーには、独自のルールがある。ブロックの際、手と腕がネットを越えてはならない。このルールがゲームの展開に独特のリズムを生み出す。レジオンウィングスが武器にするのは、相手ブロックにボールを当て、跳ね返りを速攻で切り返す攻撃スタイルだ。キャプテンの徳山優花選手(24歳)は、9人制の魅力をこう語る。
「9人いる中でコンビバレーというのが長く続いて、見ている人にも楽しんでもらえるプレーが多い」

コンビプレーが連続する展開は、観る者を飽きさせない。初めて観戦に訪れたファンも「綺麗なレシーブが入っているので、そこからどういう攻撃につなげていくんだろうというのが楽しみ」と声を弾ませていた。
昼は窓口業務、夜はバレーボール——アスリートの素顔
チームの選手たちは、日中は鹿児島銀行の社員として働き、夜は午後9時までバレーボールの練習に打ち込む。仕事とスポーツを両立させる、多忙な日々だ。
アタッカーでチーム最年長のキャプテン・徳山優花選手は、鹿児島市内の鹿児島銀行本店で窓口業務を担当している。日々の業務は、顧客への接客や営業活動、電話でのセールスにまで及ぶ。

「窓口を担当しながら営業活動をしたり、電話でセールスしたりしている」
接客の現場で磨いた笑顔は、そのままコートでのキャプテンシーにも活きている。
「みんなをやる気にさせる表情をしないといけないと思っていて、仕事のおかげで笑顔の作り方を学べた」
銀行員としての経験が、チームを鼓舞するリーダーとしての資質を育てていた。朝から夕方まで仕事に励み、夜はコートに立つ——その姿は、社会人アスリートの真剣さそのものだ。
地元・鹿児島への思い、チームに5人の地元出身選手
今シーズンのレジオンウィングスは、大会前の時点で1勝3敗と苦戦を強いられていた。しかし、週末に鹿児島で開催される試合に向け、選手たちの士気は高まっていた。チームには鹿児島出身の選手が5人在籍しており、地元での試合に特別な闘志を燃やしている。
守備に自信を持つ原田孝実選手は、こう言い切った。
「1本でも多く、粘り強く、自分が上げ続けるのが強みと思っている」

諦めないレシーブ、粘りのつなぎ——それが彼女たちのバレーの根幹だ。キャプテンの徳山選手も、地元での試合に向けて静かに、しかし力強く語っていた。
「勝つために練習してきた。応援してくれる人に感謝を伝えられるよう恩返し出来るように頑張りたい」

薩摩川内で迎えたレギュラーラウンド最終戦、ストレート勝利
V9チャンプリーグ鹿児島大会は6月26日から3日間、鹿児島県薩摩川内市で開催された。レジオンウィングスは初日にパナソニックブルーベルズと対戦し、その後も戦いを続けた。
そして迎えた6月28日、レギュラーラウンドの最終戦。対戦相手はパナソニック津アドバンスだ。試合形式は1セット21点先取の3セットマッチ。今シーズンここまで2勝4敗と負け越していたレジオンウィングスにとって、地元の声援を背にした意地の一戦となった。
第1セットは、チームの持ち味が存分に発揮された。薩摩川内市出身のセッター、16番・湯田平選手のツーアタックが冴え、3番・田上選手の角度のあるスパイクが次々と決まる。レジオンウィングスはペースを掌握し、第1セットを奪取した。

続く第2セット、躍動したのはいちき串木野市出身の12番・脇薗ひより選手だ。まずレフトからのスパイクでブロックアウトを奪い、このセット最初の得点を挙げると、今度は中央からのスパイクを叩き込む。脇薗選手の活躍を軸に、レジオンウィングスは5連続ポイントを奪って主導権を握った。
地元・薩摩川内に集まったファンの応援を背に、レジオンウィングスは最後まで試合を優位に進め、ストレートで勝利を掴んだ。
「常に挑戦者として」 勝利後の選手たちの言葉
試合後、脇薗ひより選手は勝因をこう振り返った。
「全員でフォローしあって攻撃できた部分があったので、自分も自信を持って(スパイクを)打つことができた。常に挑戦者として一生懸命やっていきたい」

チーム全員が互いをカバーし合い、つなぎ合った末の勝利だった。個人の輝きも、あくまでチームの土台の上に成り立っている——その事実が、この言葉ににじんでいる。
徳山キャプテンは、地元開催だったからこその結束を語った。
「地元で開催しているからこそ、今できることをしようという話を(チームに)して、そこでまとまった。たくさんの人に応援してもらっているので、そこを意識しながらこの先もやっていきたい」

発足から38年、鹿児島の地で歩み続けてきたチームが、地元のファンと一体になって勝ち取った白星だ。日中は銀行員として地域に貢献し、夜はコートで汗を流す選手たちの姿は、スポーツと仕事を真剣に両立させる社会人アスリートの誇りそのものである。薩摩川内市の会場に響いた歓声は、そのひたむきさへの、地元からの確かな応答だった。
【動画で見る▶【女子9人制バレー】鹿児島銀行レジオンウィングス 地元最終戦で勝利 】

