エアコンの買い替えに新たな判断が加わった。それは省エネ基準の引き上げ。基準に対応するため価格は上昇。CO2削減効果を評価する一方で、「廃棄は新たな環境負荷を生み出す」との指摘もある。

「エアコン2027年問題」とは?

佐賀県内では今年5月、最高気温が30℃以上を超える真夏日が14日と過去最多を記録するなど季節外れの暑さが続いた。
猛暑に備えエアコンの購入、買い替えを検討する人も多い。
しかし今年は“暑さ”だけでなく「エアコンの2027年問題」を意識して商品を求める客が増えているという。

この記事の画像(8枚)

「エアコンの2027年問題」とは何なのか。それは省エネ基準の引き上げと、それに伴う価格の上昇だ。

省エネ基準 2027年から引き上げ

経済産業省の省エネ基準が来年、2027年から大きく引き上げられる。これに伴い各メーカーは基準に対応するため、新モデルの生産へ切り替える必要がある。
開発にかかるコストや新たな部品調達など、生産コストが増えることで価格の上昇は避けられない。

低価格のエアコンが減少し、消費者の負担が増えるのではないかと懸念されているのが、いわゆる「エアコン2027年問題」だ。

例年と比べ売れ行きに変化が…

ベスト電器 内田信昭さん:
例年であれば梅雨明け後、暑くなったときから売れていくんですけれども、今年はゴールデンウィークくらいから売れていて、前年と比べて2倍くらい売れている

この店舗では従来型を買い求める人が多いとのことだが、省エネ基準を満たした新型モデルを購入する人も増えているという。

省エネ家電に補助金交付の自治体も

省エネ基準の引き上げに合わせ新たな対応を始めた自治体もある。
佐賀・神埼市は、今年4月以降に購入したエアコンなどの省エネ家電製品の買い替えで経費の4分の1、最大5万円の補助金を交付している。

国の補助金を活用した事業で、受付開始から約1ヶ月ですでに150件を超える申請があり、連日多くの問い合わせがきているという。

神埼市 ゼロカーボンシティ推進課 吉田亜希子 係長:
買い替えを検討された方が補助金を活用するために省エネ性能の高い製品を選ぶきっかけになっている

市は去年、CO2排出の実質ゼロを目指す宣言をしている。

神埼市 ゼロカーボンシティ推進課 吉田亜希子係長:
家計も負担を軽減して、かつ地球にも優しく、CO2削減にもつながっている。省エネにも関心を持っていただけていると感じている

「廃棄は新たな環境負荷を生み出す」

一方で省エネ基準の引き上げによる買い替えについては、廃棄によって新たな環境負荷を生み出すことも考慮すべきとの意見もある。

環境配慮型製品の購買行動などを研究している専門家は「まだ問題なく使えている場合は、必ずしも急いで買い替える必要はない」と指摘する。

九州産業大学商学部 侯利娟 准教授:
使えるものをすぐに廃棄するのは、製造や廃棄の過程で新たな環境負荷を生み出し、必ずしも環境に良いとは限らない。一方、10年以上使用しているエアコンの場合は、今後の修理対応や維持コストなども含めて、買い替えを検討する時期かもしれない

エアコンの買い替えについては、これまでの使用期間や使用頻度などを考慮したうえで必要性を見極める必要がありそうだ。

サガテレビ
サガテレビ

佐賀の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。