宮崎大学発のベンチャー企業Smoltと福岡県の西鉄がタッグを組み、規格外のブランドイチゴ「あまおう」を餌に配合した「あまおう桜鱒(サクラマス)」を共同開発した。規格外のイチゴを有効活用し、魚の品質向上につなげる新たな取り組みだ。独自の養殖技術と地域資源を掛け合わせたこの試みは、農業と水産業が連携する九州の新たな特産品として、世界市場への展開も視野に入れている。
規格外のあまおうを有効活用
福岡市天神のホテルで5月、鮮やかなオレンジ色が目を引く一皿が披露された。
宮崎大学発のベンチャー企業「Smolt」と西鉄が共同開発した「あまおう桜鱒」のマリネだ。このサクラマスには、福岡県を代表するブランドイチゴ「あまおう」が餌として与えられている。
開発の背景には、水産事業への参入を目指す西鉄の「規格外となったあまおうを有効活用したい」という思いがあった。形が小さく出荷できないイチゴに新たな付加価値を与えるため、日向夏を用いた養殖実績を持つベンチャー企業Smoltが応えた。
Smoltは、宮崎県延岡市の清らかな伏流水を使い、無投薬でサクラマスを養殖する技術を確立している。
Smolt取締役営業部長 土谷晃史さん:
今は液体にしてあげる方法にたどり着いたが、そこまでは粉末にするのか、どういうやり方でやるのか、そのあたりを何パターンも検討して時間をかけたので大変だった。
あまおうの量など理想の配合にたどり着くまで、試行錯誤が続いたという。
通常より爽やかなサクラマスに
成長した「あまおう桜鱒」を分析すると、通常の個体と比較して爽やかな香りの成分が約20倍に増加していることがわかった。さらに、魚特有の生臭さは約半分に抑えられるというデータが得られた。(試験機関:ユーロフィンQKEN/2026年3月)
Smolt取締役営業部長 土谷晃史さん:
あまおうに含まれる抗酸化作用などの成分によって、臭みの少ない爽やかな香りのするサクラマスが出来上がっていると思う。

サクラマスはそのおいしさから「幻の高級魚」とも称される。
Smolt 土谷さんは「サクラマスは日本固有種の魚なので、それを海外に向けて、日本にはこんなにおいしい魚があるということを届けたい」と話す。
2026年度は300尾程度の出荷が予定されている。規格外品を宝に変えるこの取り組みは、農家と水産業者の双方に利益をもたらす新たなビジネスモデルであり、日本の食文化の可能性を広げる新たな挑戦として、今後も目が離せない。
(テレビ宮崎)
