福岡県内の自動車販売店に76歳の女性が運転する車が突っ込む事故があった。こうした事故が相次ぐなか、高齢ドライバーたちの本音を取材した。
「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」
2026年6月20日午後3時過ぎ。福岡・新宮町にある自動車販売店の防犯カメラ映像。来店客たちがパンフレットに目を通していた、その時だった。
「ガッッシャーーーン」と店内に響く衝撃音。軽乗用車がガラスを突き破り、壁に衝突したのだ。

「大丈夫ですか?大丈夫ですか?」と慌てた声がかかる。運転していたのは76歳の女性だった。

女性は事故の後、落ち着かない様子で椅子に座り、呆然としていた。この事故で、車と接触した60代の女性客が足と耳に軽いケガを負った。

事故を起こした76歳の女性は、警察に対し「駐車場に車を止めようとしてブレーキとアクセルを踏み間違えた」と話しているという。

「絶対に踏み間違えない!」
こうしたなか、福岡・直方市の自動車学校では、65歳以上の高齢者ドライバー、24人を対象にした安全運転の講習会が開かれた。

参加者に、新宮町で発生した事故の映像を見せると―。
「おぉ~、『自分やったらどうしよう』って思うし、気をつけてはいますけど『もしかしたら自分がなるのかな』とか思う」(78歳 女性)と「あすは我が身」と捉える声が聞かれた一方で―。

「アクセルとブレーキの踏み間違いでしょ?まだ私は経験ないけん。(踏み間違えない自信は?)あります。(絶対に踏み間違えない?) ない!」(77歳 男性)と自信を覗かせる男性もいた。

2026年5月末まで県内で確認された高齢ドライバーによる事故は1824件。2025年の同じ時期と比べて22件増加し、死亡者の数も4人から10人に増えている。

85歳で運転歴は60年以上
この日の最高齢は、福井征治さん。85歳で、運転歴は60年以上だ。家族から免許返納を勧められたりするかと尋ねると「いやいや、もう1回は取ろうと思う。田舎は便利が悪いよね、どこも行けないし」と応えた。

講習では乗り慣れたマイカーで教習所を走る。「バックが苦手で…、慎重にいかないと」とハンドルを握る福井さんだが、狭いカーブが連続するコースでは指導員から「ゆっくりいきましょう。ゆっくりいきましょう」と細かな指導が入る。

約3分のコースを走り切った福井さんは「令和9年に免許更新がある。これからも安全運転で頑張っていきたいと思います」と意欲をみせた。

福岡県警は、高齢ドライバーに向け、経験を過信せず運転するよう注意を呼びかけている。
(テレビ西日本)

