24時間365日、客が自由に訪れて古着を選べる店が福井市内にオープンした。店員はおらず無人での営業という新しい形態だ。コロナ禍で生まれた新たな客のニーズをとらえ、売り上げは右肩上がりで推移してる。
「福井にあんまりないんで、うれしい」開店前から行列
個性的なファッションが楽しめると若者を中心に注目を集めている古着。6月13日、福井市内にオープンしたのは24時間無人営業の古着店「NOTIME」だ。
約230平方メートルの店内には、Tシャツやボトムス、アウターなど約5000点もの古着が並ぶ。
オープン当日は開店前から店の外に客の行列ができ、入場制限が必要なほどの盛況ぶりを見せた。
訪れた客からは「結構良さげな商品がそろっているので、定期的に来るかな」「福井にあんまりないので嬉しい」といった声が上がった。
「コロナ禍の非接触の時代」が生んだ新業態
NOTIMEを運営するのは、東京の企業・AVEND。同社は24時間無人営業の古着店を全国に30店舗展開している。この業態が生まれたきっかけは、コロナ禍だった。
南雲宏樹代表は「コロナ禍の非接触時代に、客に楽しんでもらえるような業態がないかと考えたのがきっかけ」と話す。
1号店は今から5年前、東京・池袋にオープン。人との接触なしに古着が買えるという点が受け入れられ、コロナ禍の中で業績を伸ばしていった。
コロナが収束してからも売り上げの勢いは衰えず、開業から5年が経った今も右肩上がりを続けている。
「接客されたくない」層のニーズに応える
なぜコロナ収束後も好調が続くのか。南雲代表はその理由を「アパレルショップで接客をされたくないと思っている消費者の層が多くいる」と分析する。
特に古着という商品は一般の人にはとっつきにくいアイテム。「人がいない環境でゆっくり商品を選べる店づくり」が奏功しているという。
このニーズは、商品が売れる時間帯にも表れている。この店では、深夜帯から朝方の売り上げが全体の2〜3割を占めるという。
福井テレビが定点カメラで撮影した映像にも、深夜の時間帯にも多くの客の姿訪れていた。「時間を気にせず好きなタイミングで来られるのでいい」「仕事帰りに気軽に来れるので、頻繁に利用したい」という声が聞かれた。
LINEのQRコードで入店管理…万引きは「起こっていない」
無人営業で重要なのが防犯面。店ではSNSのLINEを使った入店システムを導入している。LINEでQRコードを読み取ることでロックが解除され、入店できる仕組みだ。
店に入る際に客の個人情報や何時に入店したなどが分かる仕組みになっていて、南雲代表は「そこが大きな抑止力になって万引きは起こっていない」という。
古着市場全体の動向も、後押ししている。
環境省によれば、古着店から購入された衣類は前年比で2025年は約2倍に増加した。一方で、福井県内には古着を取り扱う店舗がまだ多くないのが現状だ。今回の福井店はNOTIMEにとって北陸初進出となる。

南雲代表は福井での展開に自信をのぞかせながら「一過性の流行にとらわれることなく、福井という地で、10年、20年、地域のお客様に愛されるような店舗を作っていきたい」と語る。

