肌への紫外線対策に気を配る人は多いが、目はどうだろうか。紫外線を浴び続けると将来、白内障や加齢黄斑変性など視力に関わる深刻な病気に発展するおそれがあると眼科医は警鐘を鳴らす。注意すべき症状や有効な対策を聞いた。
長年のダメージで“目が老化”する
紫外線が肌にダメージを与えることはよく知られているが、目も例外ではない。福井赤十字病院眼科の柿本宇志医師は「目玉も紫外線を浴びると日焼けして角膜、結膜に炎症を起こす」と説明する。
紫外線量は6月から8月にかけてピークを迎える。梅雨時期の曇り空でも油断はならない。
曇りの場合でも快晴時の約60パーセント、雨の日でも約30パーセントの紫外線が地表に降り注ぐとされている。また紫外線は反射や雲の透過によって、季節を問わず目や肌に影響を与え続ける。
柿本医師は紫外線のダメージについて「金属が錆びるのと同じ」と表現する。「長年のダメージを繰り返すことで組織が傷んでいく。一発で目を悪くするというよりは、目を老化させるようなイメージ」だという。日常的な紫外線の蓄積が、じわじわと目の組織を蝕んでいくのだ。
充血・ゴロゴロ感から「目が開けられない」重症まで
紫外線による目のダメージは、どのような症状として現れるのか。
柿本医師によると、すぐに出る症状としては「充血」「ゴロゴロ感」「涙が出る」の3つが代表的だという。重症の場合は、目が開けられないほどの激しい痛みが生じることも。
対策をとらずに紫外線にさらされ続けると、見え方に直接影響する病気へと進行するリスクもある。
まず、黒目にあたる角膜に紫外線が当たると「紫外線角膜炎」を引き起こす。さらに白目の部分に長期間紫外線を浴び続けると、白目の組織が黒目に向かって三角形の形で伸びてくる「翼状片」という病気になる場合がある。
こうした表面上の異変だけでなく、目の内部にも影響は及ぶ。目の中の水晶体が紫外線の影響で濁り、白内障の要因となるのだ。さらに紫外線が目の奥に届いて網膜にダメージを与えると、加齢黄斑変性という病気のリスクが高まるとも言われている。
加齢黄斑変性は視野の中心が見えにくくなる重篤な疾患で、日常生活への影響が深刻だ。
子供の水晶体は特に注意…早期から対策を
紫外線対策は、大人よりも子供が重要だと柿本医師は強調する。「子供の水晶体は大人に比べて透明なので、より目の奥のほうに紫外線が入るとされている」からだ。
大人の水晶体は年齢とともに黄色みを帯び、紫外線を吸収しやすくなる性質がある。一方で子供の透明な水晶体はそのフィルター機能が弱く、紫外線が網膜まで届きやすい状態。柿本医師は「老後の見え方を守るためにも、子供の頃から積極的に紫外線対策を」と呼びかける。
将来の目の健康を守るための習慣は、子供の頃からスタートさせるのが望ましいという。
紫外線対策として最も有効とされるのが、UVカット機能付きのサングラス。ただ、柿本医師は「よく色の濃いサングラスが紫外線対策だと勘違いする人がいる。色が濃いだけでは紫外線を防げないので、必ずUVカットと書いてあるものを選んでほしい」と指摘する。
サングラスの色が濃いほど瞳孔が開きやすくなるため、UVカット機能のない濃い色のサングラスはかえって紫外線が目の奥に入りやすくなる可能性もある。選ぶ際は見た目の濃さではなく、製品にUVカット表示があるかどうかを必ず確認することが大切だ。
さらに、ツバの広い帽子や日傘を組み合わせることで、紫外線対策の効果をさらに高めることができる。
調光レンズやUVダブルカット…多機能化するサングラス
福井市内のJINSくるふ福井駅店では、サングラスを約100〜150種類そろえている。色が変わる超光レンズや、表面だけでなく裏面からの紫外線もカットする「UVダブルカット」サングラスなど、機能性の高い商品が並ぶ。
好みのフレームにカラーレンズや超光レンズを組み合わせることで、約2万パターンからオリジナルサングラスを作ることも可能だ。子供用サングラスも3種類をそろえる。
同店の担当者は「近年は日差しがどんどん強くなってきており、紫外線やまぶしさを気にする人が増えてきた」と話す。
日焼け止めは塗っても、つい後回しになりがちな目の紫外線対策。しかし、紫外線のダメージは静かに、長年にわたって蓄積される。晴れの日はもちろん、曇りの日もサングラスや日傘を活用し日々の生活に対策を取り入れることが、将来の視力を守る第一歩となる。

