関西電力・大飯原発の設置許可の取り消しを求めた裁判の控訴審判決で、大阪高裁は、1審で認められた住民側の訴えを退け、設置許可に違法性はないと判断しました。

■「安全基準を満たす」規制委の判断は誤り・国に設置許可取り消し求める

福井県などに住むおよそ120人は現在稼働している大飯原子力発電所3・4号機の耐震性について、「安全基準を満たす」とした、原子力規制委員会の判断は誤りだとして、国に原発の設置許可を取り消すよう求めています。

裁判では原発周辺で想定される最も大きな揺れ=「基準地震動」の評価が争点で、住民側が「過小評価している」と主張したのに対し、国は「妥当な数値だ」と反論。

■1審大阪地裁「判断は違法」として設置許可を取り消す判決

1審の大阪地裁は「基準地震動」について「関西電力はデータの“ばらつき”を考慮しておらず、新しい規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は違法」として設置許可を取り消す判決を言い渡しました。

国側は「地震学に基づいた審査ができていて、1審の判決に誤りがあることは明らかだ」として控訴。大阪高裁で審理が続いていました。

■2審は原告の訴えを退ける

そして、迎えたきょう(5月28日)の判決。大阪高裁(川畑正文裁判長)は「原子力規制委員会の判断過程に看過しがたい過誤や欠落は認められず、判断に不合理な点はない」として、1審判決を取り消し、住民側の訴えを退けました。

【原告共同代表】「福島の事故を経験してから、国は不十分でありながら新しい基準を作ったわけです。その基準を国が自ら守っているのかと。

司法は毅然として健全に自分たちのやる仕事をやってほしいけど、きょうは残念ながら退いた」

■関西電力「運転・保全に万全を期していきます」

原子力規制委員会は、福島第一原発事故の反省と教訓に基づいて適正な規制を行っていくとコメントしています。

関西電力は今回の判決について、「社会の皆さまのご理解を賜りながら、大飯原発3号機、4号機の運転・保全に万全を期していきます」とコメントしています。

■菊地弁護士「厳しい法の解釈を通るべき」指摘

そして、国のエネルギー政策に詳しい龍谷大学の大島堅一教授は、「福島原発事故を教訓にせず、安全性を考慮していない国の原発政策を後押しするような判決」と指摘しました。

東海村の臨界事故の裁判に関わったという菊地幸夫弁護士は次のように述べました。

【菊地弁護士】「原子力に関する安全性というのは、今回も基準の解釈が問題になりましたが、基準を“厳しく解釈する”のと、“緩く解釈する”という2通りの解釈ができるとすれば、ことは人の命に関わる問題ですから、厳しい法の解釈を通るべきだと思います。

ゆるい解釈でOKだからということで、それが今回の2審で生かされたのかどうなのか。
1審が厳しいものを取ったならば、そういう解釈ができるならば、それで押し通すべきではないのかとも思います」

(関西テレビ「newsランナー」2026年5月28日)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。