OHK岡山放送で平日夕方午後6時9分から放送の「OHK LiveNews」で、身近な社会課題の解決を目指す新コーナー「Re:change(リ・チェンジ)」。初回は、身近すぎて意識することが少ない「街路樹」について取り上げます。
実は、危険が迫っています。
5月1日、岡山市中心部では、巨木の残骸が散らばりました。
(千葉知里記者)
「現場では倒木の影響で近くの街灯が根元から折れ大破している」
実は、人が行き交う日中、高さ約20メートル、周囲約2メートルの街路樹が突然、倒れたのです。ケガをした人はいませんでしたが、あわや大惨事となるところでした。大気の状態が不安定で、強い風が吹いたことが倒木の原因とみられます。
これから台風シーズンを迎える中、多くの人に不安を与えました。
(長尾龍希キャスター)
「倒木の危険性がある一方で、街路樹はまちの景観を保つなど様々な役割がある。街の人たちはどのような印象を持っているのか」
(街の人は…)
「大きい木は調査した方がいい」
「よく倒れる。老木は折れるのだろう」
「危険な木は切り倒してほしい」
一方、倒木により、改めて街路樹の存在を意識したという声も。
(街の人は…)
「四季折々の花など色々なものを見せてくれる。街並みに緑があるのは大切で必要なこと」
「なかったら悲しくなるのでは。あることが当たり前すぎる」
そもそも街路樹は、何のためにあるのか。
岡山市によりますと、車社会の到来とともに昭和40年代から車が走りやすい道路の整備が進み、車道と歩道を分けるために設置されました。
現在、その数は、市が管轄するものだけで約6万本。老朽化で倒れやすくなっている木も多いとみられますが、実態はよく分かっていません。
そこで今回、倒木の現場を樹木医・竹入隆弘さんに診てもらうことにしました。
・・・こんにちは。よろしくお願いします。
(樹木医 竹入隆弘さん)
「これが倒木した木の根元ですが完全に枯れて腐っている。(木の繊維が)ちぎって取れるくらい腐っている」
内部が腐って枯れてしまい倒れる原因になったということです。
さらに問題がないように見える隣のサクラも。
(竹入隆弘さん)
「葉がないのでこの大きな枝は枯れている」
他の枝には葉が付いていますが、この枝にはほどんどありません。これは木のSOSだと言います。
(竹入隆弘さん)
「外からは見えないが内部で何か進行している。木が生きていくために何らかの反応を示した結果この部分が膨らんでいると思われる」
「ここに穴がある。害虫が入った形跡かもしれない」
弱った木に虫が穴を空けると、キノコやカビなどが繁殖し、内部から腐る原因となります。竹入さんは、こうした木の異変を見逃さないことが重要だと話します。
(竹入隆弘さん)
「丁寧な観察や診断が必要な時期や時代になっている。市民一体で木を守る。木の恩恵を受けるという市になれば」
実は、2025年6月以降、岡山市内で街路樹が倒れたのは今回を含めて3回目。市は良好な都市景観をつくる意味からも街路樹再生に向けたプログラムも始めていますが、差し迫った危機に新たな一手を打とうとしています。
(岡山市庭園都市推進課 宮内和志課長)
「それぞれの木をデータ化してアプリを使いながら一元管理することに取り組んでいる」
市は街路樹の情報を書類を中心に記録してきましたが、インターネット上のクラウドで一元管理できるアプリの開発を進めています。街路樹にQRコードを付け、木の種類や年齢、最新の点検情報などを確認できるようにするということです。
2026年度中の導入を目指していますが、差し迫る危機に対して市民の協力も求めたいとしています。
(岡山市庭園都市推進課 宮内和志課長)
「点検や診断にはこれから力を入れていきたいので、キノコが生えているなど異常を発見したら早くわれわれに通報してもらえたら」
身近に迫る街路樹の危険。岡山市だけでなく多くの街で同じ状況が考えられます。一人一人が他人事と思わず関心を持つことが大切です。