国会議員ってどんな人?我々政治記者がよく聞かれる最も素朴な質問だ。
熾烈な選挙を勝ち抜いてきた国会議員たちには、全国的な知名度はなくとも、驚異的な能力・特技を持った人や、人間味に溢れた魅力的な人が多い。
フジテレビ政治部は、そんな“知る人ぞ知る”国会議員にバトンリレー形式で連続インタビューし、「日本の国会議員」の実像をお伝えする。
「永田町バトン」第4回の髙橋祐介さんからバトンを引き継いだのは、衆議院議員2期目の福田かおるさん(41)。
トレードマークは“緑のスーツ”
国会の本会議場や、多くの議員が集まる自民党の会議。そこでつい、目を引く国会議員がいる。衆議院議員2期目の福田かおるさん(41)だ。
トレードマークは、上下ともに緑色のスーツに、緑のスニーカー。
「8着あるんですけど、30秒で服が選べる。毎日同じような服を着てます(笑)」
取材したこの日は、靴下まで緑色だった!
イメージカラーの理由を尋ねると、「農水省出身なので、“農業の緑”ですね」とにっこり。
選挙区の東京18区(武蔵野市・小金井市・西東京市)も、「緑を大切にしている人が多かったり、キャベツの名産地だったり、緑は共通点だった」とのこと。
活動初期には、「百合子グリーン」で知られる都民ファーストの会所属と間違われたこともあったが、いまでは地元で「上下が緑といえば=福田かおる」と認識されるようになりつつあると胸を張る。
永田町でもすっかり定着した緑のスーツ姿。実は、議員外交の場でも効果を発揮している。
「まだそんなに長年議員をやってるわけではないんですが、海外の要人と何回かお会いしているうちに、相手が『あっ!』と気づいてくれるようになった」
農水官僚から政治家へ
福田さんが政治を志した原点は、農林水産省などで14年間働いた官僚時代にある。
「自分のやった仕事で世の中が良くなったらいいな、という思いがずっとありました」
農水省では、外国政府との食品安全規制交渉、法令改正、農林水産物・食品の輸出促進など、幅広い業務を経験した。
その中で目の当たりにしたのは、政策ひとつで人の暮らしが大きく変わるという現実だった。
「政策によって人の暮らしが良くなるんだな、社会を変えられるんだなというのは実感しました」
福田さんは通算7年間、21カ国での海外勤務も経験、海外に出るたび、日本の魅力を再認識したという。
「海外に行って、『日本って魅力がいっぱいあって、こんなにすごい国はないぞ』と改めて思いました。ただ一方で、日本には『日本がこれから良くなる』『自分の将来が良くなる』と思っていない人が多く、悔しい、変えたいという思いが原動力になりました」
省内では、若手有志が大臣に直接提言する「官僚ペーパー」のとりまとめを主導し、新しい政策を若手が実行できる「政策オープンラボ」をつくった。
また、外国政府との規制交渉では、国内21都府県を自身でまわり、調整を行い、国内対応が可能な案を外国政府から引き出した。
「若手でもできることがいっぱいあると確信できた」。
やがて「省庁の枠を超えて日本が抱えている課題に取り組みたい」という思いが強まり、政治の世界に飛び込んだ。
現在は高市内閣で大臣政務官を務めているが、担当は農水ではなく文部科学分野だ。
福田さんが大切にしているのは、“批判する政治”ではなく、“実行する政治”。
「100%賛成はないので、反対意見も含めて、人と向き合って調整を重ねて、うまくいかなかったら修正をして…というのを繰り返していかなきゃいけない。政府、省庁、関係者の人も巻き込んで、実行をマネジメントできる実務家の政治家が増えたら、日本は絶対変わると思いました」
官僚から政治家への転身については、「チームジャパンの中で異動したイメージです」と語る。
必要なのは「教育システム全体のパラダイムシフト」
そんな福田さんが今、最も力を注いでいるのが「教育政策」だ。
文部科学政務官への就任も、「教育政策がやりたい!」と希望したことがきっかけだった。
「今これだけ社会の変化が激しくなっているときに、教育システム全体が、変化に対応してお役に立てているのかという問いにも直面していると思っていて…」
今、ある問題意識をもとにさまざまな施策を仕込んでいるという。
昨今、AI分野の成長で人間の仕事がなくなってしまうなどと言われて久しい。
福田さんは「18歳や22歳をゴールに教育を考えてはいけないのではないか」「良い教育を受けたから安泰という時代ではなくなってきている」と指摘する。
「お金や時間に余裕がある人だけではなく、誰もが、どんな状態でも、知識・技術・技能を更新し続けて、自信を持って活躍し、楽しく暮らしていける仕事ができるように変えていきたい」

そして、小学校や中学校で今直面している課題を解決することにとどまらない、教育システム全体の改革の必要性も訴えた。
「小学校の話だけをしていてもダメで、社会にて出た後の世界も見据えて小学校をどうするのか?という話をしなければならない。全体をどうしたいかということは政治がもっとメッセージとしてビジョンを描いて出していきたい」
こんな時代が来るかもしれないという想像から逆算して学んでいくのでは、想像していなかった未来に対応できない。
「学ぶ力を小さい頃から身につけたら、そこから先は臨機応変に、いつでも学べるような形に、教育システム全体を変えていきたい」
働きながらでも、思い立ったときに新しい学びができるように。仕事と両立しながらでも大学などの高等教育機関に通えるように、プログラムを見直したり、学内の体制を整えたり、個人への支援制度を充実させたり…
ひとつひとつ課題を洗い出して、対応している真っ最中だ。
やりたい政策は社会保障制度
また、福田さんは「絶対やりたいのは、社会保障政策・制度改革」と力を込める。
「もうみんな薄々、人口が急激に減って高齢の方々が急激に増えていったら、このままでは今の仕組みはもたないだろうと思っていると思う」
日本の年金・医療制度の“すごさ”と、避けては通れない“負担増”。
40代前半の福田さんは「この世代の宿題だと思っている」として、正面から向き合う覚悟だ。
「社会保障制度はバラ色の話ばかりは出てこないと思うけれど、みんなが安心して暮らせるような形に変えていく。次の世代にちゃんとセーフティーネットとして持続可能な形に変えて引き継いでいきたい」
目指す日本は「生まれて良かったと胸を張って言える国」
ここまで政策についてキレッキレで話してくれた福田さん。
日々のリフレッシュ方法を聞いてみると、「食べ歩き」と声を弾ませる。
地元のおいしいお店を日々開拓し、SNSで発信している。「地元の美味しいお店に行って、食べて、PRして、それでお客さんが来たらもっといいな」
ちなみに取材中、インタビュアーおすすめの地元店の名前を伝えると、「行ったことありますよ!」と即答だった。

そんな地元の“おいしい”に精通している福田さんが目指すのは、「日本に生まれてよかったと胸を張って言える国」。
「一時的にお金や票にならなかったり、むしろ不人気になったりしてしまうかもしれないけれど、でも将来のことを考えたらやった方がいいけどできない政策、『本当はやりたいんだ』ということがあれば、それを実現するために、政府職員、そして現場の皆さんと一緒に走っていきたい」
今日も福田さんは“緑”のスーツで永田町と地元を走り回っている。
