国内では10人に1人が使っているとされるコンタクトレンズ。便利さゆえに利用者は急増しているが、その一方で「使用者の10%が何らかの症状を持っている」という実態も。誤った使い方を続けた場合、最悪「失明に至ることもある」と専門医は警鐘を鳴らす
コンタクト使用者の10%に何らかの症状
使い捨てタイプの普及により、コンタクトレンズはいまや日常的なアイテムに。国内では10人に1人が使っているとされ、その手軽さから若い世代を中心に広く浸透している。
しかし日本眼科学会によると、コンタクト使用者の10%に何らかの眼の症状があるという。便利さと引き換えに、トラブルを抱えるリスクも高まっているのだ。
では、具体的にどのような病気が起こりうるのか。福井県済生会病院眼科医長の上山健斗医師は3つの症状を挙げる。
一つ目は「ゴロゴロ感や違和感の原因になり」黒目の表面に細かい傷がつくもの。
二つ目は、白目(結膜)部分のアレルギーだ。「かゆみや目やにの原因になることが多い」という。いずれも日常的によく感じる症状だからこそ、見過ごされやすい。
そして最も警戒すべきは、角膜(目の表面)の感染症だ。細菌やカビなどが目の表面に付着し、黒目が白く濁るなどの異変が生じる。上山医師によると、放置した場合には失明に至ることもあるが、「目がゴロゴロしたり、少しかすんだり、目やにが出る初期段階では症状が軽いため、様子を見てしまう人が多い」という。
しかし進行すると「見えづらくなったり痛みが強くなったり、目の赤みがひどくなったりといった症状になる」。初期症状の軽さが、逆に受診を遅らせる要因になっているのだ。
「少しなら大丈夫だろう」が菌の温床を生む
こうした眼の病気の原因の大半は、コンタクトレンズの誤った使い方にあると上山医師は指摘する。長時間の装用、装着したままの睡眠、保存液の使い回し、水道水や井戸水でレンズを洗うといった行為だ。
上山医師は日々の「少しなら大丈夫だろう」という油断の積み重ねが、菌の温床を生み、目の病気へとつながっていくと警鐘を鳴らす。
特に注意が必要なのが、装用時間。朝起きてから寝る前まで使い続けると、1日使い捨てのレンズであっても装用時間の上限を超えてしまう。
基本的には、1日の使用は8時間から10時間以内にとどめることが推奨されている。「便利だから」とついダラダラと使い続けてしまいがちだが、その習慣こそが危険を招くのだ。
装用時間のほかにも守るべきルールがある。コンタクトレンズをつけたままお風呂やプールに入らないこと、一度でも落としてしまったレンズは使わないこと、そして目が充血している場合や少しでも痛みなどの違和感がある場合はレンズをつけないことが重要だ。
「気軽に買って使える」カラコンにも要注意
近年ではカラーコンタクトレンズ(カラコン)を使う人も増えている。店頭やネットで手軽に購入できる分「安易に考えている人も多い」と上山医師は懸念を示す。
コンタクトレンズはあくまで医療機器だ。「赤みや痛み、かすみ、見えづらさを感じたときは、すぐに眼科を受診することが最も大切」と強調する。
上山医師によると、コンタクトレンズによる眼障害にかかりやすいのは、20代から40代の働き盛りの世代に多いという。仕事や生活が忙しく、レンズの管理がおろそかになってしまいがちなことがその背景にある。
使用時間をしっかり守ること、お風呂に入る際は外すこと、そして少しでも異変を感じたら迷わず眼科を受診すること。この3つを日常の習慣として徹底することが、目を守るための第一歩となる。便利なものだからこそ、長く使い続けられるよう、この機会に日頃のケアを見直してみてみよう。
