TSKとJALのコラボ企画。今回は珍しいチーズがテーマです。
島根県松江市で日本ならではの、これまでにないチーズを作ろうと情熱を傾ける男性がいます。
JALふるさと応援隊の松崎愛己さんとともに取材しました。

松江市の郊外、西忌部町。
山の上にある小さな工房を訪ねました。

JALふるさと応援隊・松崎愛己さん:
ここですね。こんにちは。

空山チーズ工房・野津裕司さん:
こんには!よろしくお願いします。

迎えてくださったのは野津裕司さん。
この工房でひとりチーズを作っています。

空山チーズ工房・野津裕司さん:
きょうはやわらかいほうですね。

野津さんが作るのはモッツァレラチーズ。
適切な温度管理、そして固形分と残りの水分をうまく分離する必要があり、作るのが難しいチーズです。

JALふるさと応援隊・松崎愛己さん:
すごくもっちりとした食感です。今までに食べたことのないモッツァレラチーズの食感で、味わいもすごく濃厚です。とてもおいしいです。

モッツァレラは熟成させないフレッシュタイプのチーズですが、あえて熟成させることでこれまでにない味わいに仕上げました。

JALふるさと応援隊・松崎愛己さん:
このチーズですが、どんな特徴があるのでしょうか。

空山チーズ工房・野津裕司さん:
実はチーズは、「野生の麹菌の酵素」を使っているんです。

チーズ作りには通常、青カビや白カビが使われますが、野津さんのチーズに使われているのは野生の麹菌。
その理由を教えてもらうため、向かったのは雲南市の須我神社の奥宮です。

JALふるさと応援隊・松崎愛己さん:
けっこう上ってきましたね。

空山チーズ工房・野津裕司さん:
この辺の一帯が麹のとれる場所になります。まさにこの場所で麹菌を発見したんです。

野津さんは15年前、青森県の農家の体験談を聞いたのをきっかけに、肥料や農薬を使わないリンゴの自然栽培を始めました。

野津さんはもともとウェブページのデザイナーで、農業の経験はありません。
肥料や農薬に頼らず虫や病気と闘いながら試行錯誤を重ねる中、リンゴの生育を助ける自然の力として目を付けたのが「麹菌」でした。

リンゴ畑を手始めに周辺の20か所以上で野生の「麹菌」を探し、2021年にここ須我神社の境内で見つけることができました。
分析検査の結果、毒性はなく食用に使えることも確認できました。

空山チーズ工房・野津裕司さん:
アミノ酸を分解する力とタンパク質を分解して、うまみ成分を生み出す力が一般の麹菌よりも何倍も優れていて、これはタンパク質を分解するような製品に使えないかと研究を始めました。

ようやく見つけたオリジナルの麹菌を使って、野津さんはチーズ作りに挑戦。
麹菌はカビの一種で、酒やみそなどと同じ発酵食品であるチーズも作れると考えました。
ところが失敗の連続…気が付けば5年が経っていました。

空山チーズ工房・野津裕司さん:
悩んでいる時に、お酒とかしょうゆだったら水なので、チーズで水といったらなんだろうと思った時、モッツァレラチーズだと思ったんで、あの保存液に麹をいれてはと思った。

麹菌を使う酒や味噌、しょうゆづくりには「水」が欠かせません。
これをチーズ作りに応用できないかとたどり着いたのが「モッツァレラ」でした。

最後の工程で加熱したチーズを水で冷やし、塩水に浸します。
水との相性が良いチーズです。

空山チーズ工房・野津裕司さん:
(神社で)拝んで降りてきてくれた麹菌なので拝みます。

チーズを熟成させる時、野津さんは自然と神社への感謝を忘れません。
こうして生まれたチーズはようやく2026年、ネットショップのほか、出雲市の小売店で販売が始まり、松江市内のレストランでも使われるようになりました。

JALふるさと応援隊・松崎愛己さん:
初めてこの商品を発見した時、どう思いましたか。

空山チーズ工房・野津裕司さん:
これはすごいものができたと思った。イタリアの方にも食べてもらいたいと。

野津さんは、つづいて発芽玄米からできる乳酸菌を使ったチーズを開発中。
日本発の「麹チーズ」の可能性を広げたいと考えています。

空山チーズ工房・野津裕司さん:
日本中でいろんなところにいる麹菌たちをどんどん発見していって利用していけば、いろんな食品にもっともっと生かせるんじゃないかと思っています。

野津さんは、これから麹チーズに合うソースも作り販売することにしています。

JALふるさと応援隊・松崎愛己さん:
麹菌は生き物なので、それぞれ違う特性があるそうです。
野津さんは、海外での販売も視野に今後も意欲的に商品開発に取り組んでいくとおっしゃっていました。

TSKさんいん中央テレビ
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