海上自衛隊は24日、2024年11月に木造の掃海艇「うくしま」が福岡県沖で火災を起こし沈没した事故の調査結果を公表した。
2024年11月、福岡県宗像市の沖合を航行中の掃海艇「うくしま」から火が出て、機関室当直員として消火活動を続けた隊員1人が死亡、1人が負傷し、艇はその後沈没した。
海上自衛隊は、船体を引き上げるなどして調査を進めた結果、エンジンの上を通る配管の継ぎ目から燃料が漏れ、エンジン排気管の高温部分に触れて発火したのが火災の原因と推定した。
火災で発生した大量の黒煙によって発電機室の配電盤内でショートが起き、艦内の電源が失われたため消火ポンプなどが使用不能になったことも火災を拡大させたという。
海上自衛隊は、無停電電源装置の導入や燃料配管の継ぎ目をなくす改修、可燃性の船体での消火要領を検討するといった再発防止策を実施するとしている。
斎藤海上幕僚長は、「海上自衛隊の貴重な隊員を失ったことに深い悲しみを覚えるとともに、大切な艦艇を失い国民の皆様にご心配をおかけしたことについて大変申し訳なく思っている」と改めて陳謝したうえで、「殉職された古賀2曹は危険を顧みず身を挺して機械室の消火活動にあたりました。そして、非常事態において冷静かつ迅速に行動を貫いた姿は、まさに船と仲間を守ろうとする強い意志の表れであり、心から敬意を表したい」としのんだ。
機雷には、磁気に反応して爆発するものがあるため、機雷撤去を主任務とする掃海艇は、鉄以外の素材で造られる。
海上自衛隊は、2010年に就役した掃海艇「たかしま」まで、木造の掃海艇を110隻建造し、機雷や不発弾などの処理にあたってきた。
以降は、技術の進歩により木造以上の強度を持ち艦の寿命も延ばせる繊維強化プラスチック(FRB)を船体の素材に採用し、2012年就役の掃海艇「えのしま」をはじめ炎上しにくい掃海艇の配備を進めていて、FRB製の掃海艇は3隻、掃海艦は4隻が就役している。