荒茶の生産量が2年連続で日本一に輝いた鹿児島のお茶が、新茶シーズンの幕開けから快調なスタートを切った。4月6日、鹿児島市で行われた新茶の初取引では、1キロ当たりの高値が3万円と過去最高を記録。平均価格も前年を2000円以上上回るなど、かごしま茶への注目度と期待感がかつてないほど高まっている。
南九州の茶どころから57点、約2.1トンが集結
6日に行われた初取引には、南九州市や枕崎市、種子島、屋久島といった鹿児島が誇るお茶どころから57点、約2.1トンの茶葉が出品された。会場では参加した茶商たちが手触りや香り、そして実際に口に含みながら、茶葉一つひとつの品質を丁寧に確かめていった。

現場からは「出来はいいと思う。すごく香りが良くて見た目もいい」という声も聞かれ、2026年産の新茶への手応えが感じられる。
今年の品質の高さには、気候条件が大きく関係している。2026年は冬場の気温が例年に比べて低くなりすぎず、雨量も安定していたことから、良質な茶葉の生産につながったとされる。
高値は過去最高の3万円、平均価格も大幅アップ
2026年の初取引は、2025年より3日早く開催されたこともあり、出品数や量は例年より少なかった。しかし、その分だけ品薄感が生まれ、価格を押し上げる要因となった。
1キロ当たりの平均価格は6573円と、前年比で2000円以上の上昇。そして注目の高値は3万円に達し、2025年を8000円以上も上回る過去最高となった。

品質の高さと希少感が重なり合い、かごしま茶の価値を改めて証明する形となった。
「国内外問わず注目されている」 日本一の誇りを次の発信へ
2年連続で荒茶の生産量が日本一となった鹿児島。その実績は国内にとどまらず、海外からの視線も集めている。
生産者からは「生産量日本一になったことで国内外問わず注目されていると思うので、引き続き、いいかごしま茶を発信していけるよう頑張りたい」という力強い言葉が聞かれた。日本一という称号を背負いながら、産地としての誇りと責任感が伝わってくる。

抹茶施設が2027年に完成予定、世界需要に対応へ
追い風はさらに吹きそうだ。かごしま茶流通センター内では、世界的にニーズが高まっている抹茶の需要に応えるため、年間300トンの抹茶生産が可能となる新施設の建設が進んでいる。完成は2027年11月を予定しており、グローバル市場への供給力強化が期待される。
懸念される中東情勢、燃料価格への影響
一方、関係者が頭を悩ませているのが、刻々と変化する世界情勢だ。県茶業会議所の柚木弘文会頭は「(燃料の)価格の値上がりが心配されるが、順調に茶工場、あるいは茶商のみなさんにエネルギーが届けられるかと大変心配。早く収束していただいてホルムズ海峡をオープンにしていただきたい」と危機感を率直に語った。

中東情勢による燃料供給への影響は、茶の生産・流通コストに直結する問題であり、産地全体が固唾をのんで情勢を見守っている状況だ。
過去最高値を記録した初取引は、2年連続日本一のかごしま茶が新たな高みを目指すスタートとなった。抹茶施設の整備など将来への布石を打ちながら、世界情勢という不確実性とも向き合うかごしま茶の動向から、今後も目が離せない。
【動画で見る▶「かごしま茶」生産量2年連続日本一 初取引で最高値1kg=3万円に「すごく香りが良い」】
