秋田のコメの底力を、世界へ――。
秋田・大仙市出身の女性が立ち上げた甘酒の海外販売に、地元の高校生たちが加わった。農業体験で育てたコメを原料に使用し、PR動画の制作にも挑戦する生徒たち。食と農業を通じて、地域と世界を結ぶ新たな取り組みが動き出している。
秋田のコメを世界に伝えたい
取り組みの中心にいるのは、大仙市峰吉川地区出身の加藤瞳さんだ。東京都内の企業で働きながら、地元・秋田の食材の魅力を海外に届けたいと考え、2024年に秋田市で会社を立ち上げた。
看板商品は『甘酒』。原料は、秋田が誇るコメと米こうじ、そしてきれいな水だ。
「少しでも秋田県の役に立つ人になりたかった。コメの魅力を世界に伝えることで、産業に貢献できるのではないかと思った」と加藤さんは語る。
ボストンやニューヨークで日本文化を発信するイベントに出店し、甘酒を販売。豆乳や果物を加え、外国人にも飲みやすいスムージーとして提供すると、「砂糖が入っていないのに甘い」という驚きの声が多く寄せられたという。
高校生と一緒に広がった挑戦
海外で活動する加藤さんの姿に心を動かされたのが、峰吉川地区の農家だった。「高校生も一緒にやってみたら、夢につながるのではないか」。そんな提案から、新たな連携が生まれた。
加藤さんとタッグを組んだのは、大仙市の私立秋田修英高校ステップUPコースの生徒たち。2025年に設置されたこのコースでは、不登校を経験した生徒一人一人に寄り添った学びを行っている。
生徒たちは地域協働の授業として農業体験に参加し、田植えや稲刈りを経験。そのコメが、4月下旬にボストンで販売される甘酒の原料として使われる予定だ。
海を越えて届ける生徒たちの思い
生徒たちは、甘酒の販売だけでなく、アメリカの子ども向けに日本文化を紹介するブースで使われる動画制作にも挑戦している。この日は、峰吉川地区のコメの魅力を伝えるPR動画の撮影が行われた。
英語のせりふを先生と相談しながら考え、海外の人に分かりやすく伝えるにはどうすればいいのか意見を出し合う生徒たち。その表情には、自分たちの取り組みが世界につながる実感がにじんでいた。
「秋田の文化を分かりやすく伝えられるよう、みんなで頑張った」「クラスの努力を見てほしい」と生徒たちは胸を張る。
未来へ続く小さな一歩
加藤さんは、生徒たちの姿に強い感動を覚えたという。
「事前準備から役割分担まで一生懸命取り組んでくれた。その思いも一緒にアメリカへ持っていきたい。今後もこの活動をつなげていきたいという思いが高まった」と語る加藤さん。
一杯の甘酒に込められた、地域への思いと若者の挑戦。秋田から海を越えた先で、どんな反応が返ってくるのか。期待は高まっている。
(秋田テレビ)
