一枚の写真から街を再発見する「兵動大樹の今昔さんぽ」。

今回の舞台は、京都・嵐山です。

雨に煙る渡月橋をバックに「ほんま絵になるよね」と上機嫌です。

兵動さんに渡されたのは1965年(昭和40年)に京都で撮影された1枚の白黒写真。

【兵動大樹さん】「お寺か神社の境内ですね。でも謎なのが、お坊さんが赤ちゃん背負ってんのかな。ほんで、何かを見てる子どもたち」

今回は、まさかの出来事で兵動さんが写真撮影を放棄!?

一体どうなってしまうのでしょうか?

■子供たちが見ているのは「虫」?

早速聞き込みスタート!

まずは、北海道・室蘭から来た卒業旅行中の2人組に声をかけてみます。

【兵動大樹さん】「これ昭和40年の写真やねんけど、ぱっと見てこれどこや思う?」

2人は写真を見つめながら「神社の裏っぽさそうだよね」と答え、子どもたちが見ているものには「虫」と予想しました。

”虫”というキーワードが頭に残ったまま、兵動さんは次なる手がかりを求めてさらに歩き続けます。

■とろけるわらび餅と共に謎解き

聞き込みの途中、渡月橋のすぐそばにある老舗の乾物卸問屋「峯蘭堂」に寄ることに。

峯蘭堂は大正時代から嵐山で営業していて、できたての「わらび餅」をいただくことができます。

温かいわらびもちに心惹かれ、食べてみることに。

【兵動大樹さん】「めちゃくちゃおいしい!温かい分、溶けるのが早いような感覚がする。それがすーっと、清らかな水のように入っていきます」

とろけるわらび餅に心をほぐされながらも、写真の謎解きは続きます。

お店のスタッフに写真を見せると「鈴虫ですかね」とひとこと。

「鈴虫寺」という名前が浮上しました!

■十三まいりで有名な「法輪寺」で歴史を知る

わらび餅を食べ終わり、店のすぐ横にある、“十三まいり”で有名な「法輪寺」に立ち寄ることにした兵動さん。

長い階段を「長ければ長いほどご利益がある」と言い聞かせて登り、法輪寺に到着しました。

法輪寺は713年、元明天皇の勅命により皇室の安泰を願って創建されたと伝わる由緒あるお寺です。

本尊の虚空蔵菩薩は森羅万象を司る神様で、人間の発明した電気・電波も自然現象を利用しているということで、電気・通信関係の参拝者が多いのだそうです。

実は「渡月橋」は元々この法輪寺にお参りするための橋で、かつては「法輪寺橋」と呼ばれていたんだとか。

■“十三まいり”のたった1つの注意点

ところで、“十三まいり”とは何なのでしょうか?

【兵動大樹さん】「住職、どついてもらっていいんですけど、十三まいりって何?」

【住職・藤本高仝さん】「十三まいりをご存じない!?」

恥を忍んで聞いた兵動さんに、住職が優しく教えてくれました。

数え年の13歳は、干支が一巡した年にあたり、すべての干支を経験した一人前の大人として、知恵の仏様である法輪寺にお参りをする風習なのだそうです。

しかし、渡月橋を渡る際に振り返ると、知恵を返してしまうという言い伝えもあるので気を付けなければいけません。

【兵動大樹さん】「振り返ったらこんなんなりますよ。なにも知らんおっさんになるからね」

■いよいよ鈴虫寺へ!

電気・電波の守り神「電電宮」で「newsランナー」の発展を祈願してもらい、いよいよ鈴虫寺へ!

到着すると、境内には長い行列ができていました。

鈴虫寺の正式名称は「妙徳山 華厳寺」。一年中鈴虫の音色を聞くことができることから「鈴虫寺」と親しまれています。

また、わらじを履いたお地蔵様が「どんな願いも一つだけ叶えに家まで来てくださる」という「一願成就」で知られ、週末には遠方からもたくさんの参拝客が訪れます。

「説法を聞いてからお願いしてください」ということで、兵動さんも行列に並びます。“説法待ち”の行列だったのです。

■一年中鳴き続ける鈴虫の秘密と、8代目住職の想い

境内に入ると、鈴虫の音色が一面に広がります。

現在およそ3000匹の鈴虫が飼育されています。 鈴虫が鳴くお部屋では、住職による「鈴虫説法」が開かれており、リピーターも多いのだそうです。

およそ80年前、8代目住職は儚い寿命しか持たない鈴虫が懸命に鳴く姿を見て悟りを開き、「その音色を一年中皆さんに聞いてもらいたい」と研究を始めました。

しかし、冷暖房などの近代的な設備が整うまでは思うようにいかず、なんと28年もの歳月がかかったということです。

【10代目住職・桂紹寿さん】「いまでこそできるようになった。人工的に四季を作れるようになったので」

そして今回の写真に写っていたのは、まさに8代目住職が子どもたちに鈴虫の鳴き声を聞かせているシーンだったのです!

8月末ごろに撮影されたもので、鈴虫は鳴いていたとみられます。

■心洗われた兵動さん 写真撮影を放棄!?

「鈴虫説法」を聴いた兵動さんは、すっかり心を打たれた様子です。

【兵動大樹さん】「すごかったね、引き込まれる。気持ち仏様なんです、いま。だから写真撮るとか雑念いらんねん。これで終わってもいい」

本来の目的まで忘れてしまうほど心が洗われた兵動さんでしたが、最後はしっかり写真を撮りました。

昭和40年に8代目住職が子どもたちへ鈴虫の音色を聞かせた場所で、現在も10代目住職が説法を続けています。

一枚の古い写真が、嵐山の深い歴史と人々の思いをつなぐ橋渡しとなりました。

(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」2026年3月27日放送)

関西テレビ
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