一枚の写真から街を再発見する「兵動大樹の今昔さんぽ」。
今回の舞台は、奈良県のJR王寺駅前だ。
兵動さんが受け取ったのは1968年(昭和43年)に奈良県王寺町で撮影された1枚の写真。そこには力強く走る蒸気機関車と、背後にそびえる山、そして「山甚醤油」と書かれた看板が写っている。
兵動大樹さん:昭和43年、俺が生まれる2年前か。そのときにまだ王寺で機関車走ってたっちゅうこと?
王子町を歩くのは初めてだという兵動さん。写真の風景は見つかるのだろうか?
■王寺町は“機関車推し”?
写真に写る「山甚醤油」の文字が大きなヒントになりそうだ。早速、駅前で聞き込みを開始!
「もう時間がない」とエスカレーターに乗っていく男性に写真を見せると…。
街の人:ワシらここ(王寺町)に来たときまだ走っとった。
兵動大樹さん:乗ったことは?
街の人:あります。60年前。
兵動大樹さん:あぁ行ってもうた!有力な情報やったのにエスカレーター乗っていってもうた…。
嘆きながらも駅前のモニュメントに目をやると、機関車の車輪のようなものが。
王寺町は“機関車推し”の町なのだろうか。

■王寺は奈良県初の鉄道が開通した「鉄道の町」
さらに聞き込みを続けると、「本町」という場所に醤油店があったという情報が。
そこへ、鉄道好きな男性が現れた。
男性:これは客車だと思います。王寺は鉄道の要衝みたいなところで、昔から走ってましたね。奈良と王寺が最初に開通して、明治の頃に。
1890年(明治23年)に開通した奈良県初の鉄道が、奈良と王寺を結ぶ路線だったのだ。
それがきっかけで、当時は小さな村だった王寺は急速に発展し、「鉄道の町」と呼ばれるようになったという。

■コストコ再販店は“近所の面倒見がいい人”?
さらに驚きの情報が。王寺は鉄道だけでなく、昔は履物の町としても有名だったそうだ。
かつては“履き物の問屋街”だった通りを歩きますが、現存する店は2軒のみ。
靴店の店主に写真を見せると、右側の建物は“谷酒造”の酒蔵で、山甚醤油は“谷家”の事業の1つだと言う。
写真はやはり本町の方だということで向かっていると、「コストコ再販店」という気になるお店を見つけた。
兵動大樹さん:コストコなの、ここ。どういうことなんやろ。
店主によると、奈良県にはコストコがないため、わざわざ大阪のコストコで買って再販しているのだそう。しかも1回の仕入れで20万円分も購入するのだそうだ。
兵動大樹さん:要するに、近所の『面倒見のいい人』みたいな立ち位置や。『きょうコストコ行ってめっちゃ買うてきてんやんか。ちょっといる?』 みたいな人いてはるんやん。それのお店版やん。
さらに、大きなパッケージの商品を食べやすいサイズに小分けして販売しているというのだ。

■間に合わないときは飛び乗った!?昭和の蒸気機関車事情
店主のお母さんに連絡を取ってもらったところ、姉と友人を連れた3人で店に来てくれた。
話を聞くと、みなさん蒸気機関車に乗ったことがあるという。
店主の母の友人:乗って学校通ってたもん。奈良のほうまで行ってた。発車しますやろ。ガッタン、ガッタンって、そんな急に走らへんから。飛び乗ったりもしたもん。
兵動大樹さん:『間に合わへん、遅刻する~』って。時代やな。
王寺マダム3人のトークショーが繰り広げられる中、衝撃の新情報が。機関車がある公園があるというのだ。
兵動大樹さん:今回、王寺のキャッツアイに助けていただいた。勉強になりました。

■公園に展示されているD51に「これすごいよ」
舟戸児童公園に到着すると、そこには立派な蒸気機関車D51(デゴイチ)が展示されていた!
兵動大樹さん:うわ、おっきいな!これすごいよ。
記録によると、国内で蒸気機関車が定期運行されていたのは1975年(昭和50年)まで。このD51は昭和47年まで現役で運行し、翌年から鉄道の町・王寺を象徴する文化財として展示されているのだ。
運転席も見学でき、当時の圧力計などがそのまま残されている。
公園を管理する役場に電話すると、「王寺鉄友会」という、元国鉄職員で構成された団体を紹介してもらい、メンバーの1人、東川憲吾さん(88)のご自宅を訪問させてもらうことに。

■元国鉄マンが語る機関車への熱い気持ち
東川さんは子どもの頃から機関車が大好きで、毎月D51の清掃を続けてきたという。
東川さん:電車はな、静かに走ってるだけ。機関車は違いますよ。ガブルンと。もう迫力が違います。
しかし、国鉄で働いた理由は、ただ好きだからというだけではなかった。
以前はボタン会社で働いていた東川さん。友達がボーナスの話をするたびに肩身の狭い思いをしていたそうだ。
東川さん:『ボーナスってなに?』ってこういう話になるわけや。(ボタン会社には)ボーナスがあらへんねん。『そんなんでは嫁の来てがない』と言われた。
そこで一念発起し、国鉄の試験を受験。倍率100倍という狭き門を2回目の挑戦で突破したのだ!
当時は蒸気機関車から電気機関車に移行するタイミングだったため、東川さんは電気機関車の運転を務めた。

■「家の前で汽笛を一発」国鉄マンならではの新婚エピソード
そして大切に保管している国鉄時代の制服を見せてくれた。
制服を着た当時の思い出を語る東川さん。奥様との素敵なエピソードも飛び出した。
東川さん:(新婚の頃は)家の前の線路を走るとき、汽笛を一発『パーン』って鳴らしたらね、妻が窓から手を振ってくれた。
兵動大樹さん:映画やん。映画の世界や。

■写真の場所を発見!
最後に、東川さんに写真の場所まで案内してもらった。煙突はなくなり、酒蔵は今では普通の住宅になっているが、背後の山は当時のままだった。
兵動大樹さん:きょうはすごかったな。王寺が鉄道の町というのも勉強になりました。国鉄の話も新婚のラブラブな話も聞かせていただいて。ありがとうございました!
(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」2026年2月20日放送)

