10年前の熊本地震で傷ついた『つばめ』が九州を縦断します。これは九州新幹線・全線開業15周年を記念して、走行不能となった九州新幹線『つばめ』の車両が、線路ではなく、陸路や海路を使って九州を縦断するイベント『つばめの大冒険』が3月29日から始まり、熊本県内でもイベントが行われました。

熊本地震の前震で被災した『つばめ』

3月29日の熊本港では、熊本地震で被災した『つばめ』の車両が船に積み込まれました。10年前の4月14日、回送中に揺れに襲われた『つばめ』は、6両全ての車両が脱線。基盤がゆがむなどして走行不能となった車両は、その後、熊本総合車両所で保管されてきました。

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そのような中、JR九州は、九州新幹線全線開業15周年を記念し、『つばめ』が陸路や海路で九州を縦断するイベント『つばめの大冒険』を企画。車両のサビを取り塗装し直すなど準備を整えた『つばめ』は、3月29日に出発の日を迎えました。

来場者は「いろんな人が努力をして、この車両がよみがえったのがすごいと思った」や「熊本がここまで復興したので、九州全体に(感謝の)思いを載せて、(ゴールの)博多まで行ってほしい」と話します。

そして『つばめ』は、約1000人のファンに見送られながら、冒険へと出発しました。イベントに参加したJR九州の古宮洋二社長は「復興のシンボルではないが、〈これから前を向いていこう〉ということで、(被災した)この車両を使おうと判断した。皆さんに明るい、前向きな気持ちになってもらいたい」と話しました。

海路で熊本港を出発 八代港ではセレモニー

純白のボディーに赤のラインとエンブレムがあしらわれた『つばめ』。30日は次の目的地、八代港を目指すため、予定よりも少し早く宇城市三角町に姿を現し、見に来た人は「〈新幹線が海の上を走る〉ということで三角まで見に来た」と胸を躍らせます。

〈冒険〉では避けては通れない雨。景色が白くかすむ中でも赤のラインをひと際輝かせて、〈冒険〉を楽しんでいる様子でした。そして、31日午前には無事に八代港に到着。普段見ることがない海に浮かぶ車両の姿に、訪れた人は驚きながらも一緒に写真を撮っていました。

夕方には出港セレモニーが開かれ、地元の高校生たちが和太鼓や吹奏楽の演奏で花を添えました。そして午後7時、新八代駅の大磯啓介駅長の合図で『つばめ』が出航。音楽に合わせて打ち上げられたおよそ500発の花火が、沖に向かって進む『つばめ』の車体を色鮮やかに照らしていました。

『つばめ』を一目見ようとやってきた親子連れは「船バイバイ!間に合ってよかったね」や「新幹線が海の上を渡っていてかっこよかった。一生に一度見られるかどうかの経験だったので、忘れない」と話してくれた。

八代港を出港した『つばめ』は次の寄港地である鹿児島県の串木野港に4月1日に入港し、その後、長崎を経由して、4月10日にゴールの博多駅に到着予定です。

(テレビ熊本)

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