物価高騰が続く中、鹿児島市が全世帯を対象に1人あたり5000円分のプリペイド型ギフトカードを配布する。配布開始まで1カ月を切った市内の街頭では、「たった5000円だったって気がした」と苦笑いを浮かべる声がある一方、「もらわないよりはもらった方がいい」と受け止める声も。スーパーの店長は「特売を仕掛けたい」と早くも商機を見据えている。

約57万9000人が対象、手続き不要で受け取れる

鹿児島市が配布するのは、Visaの加盟店で利用できるプリペイド型ギフトカードで、1人5000円分。対象は2026年1月1日時点で住民基本台帳に記載されている約29万世帯・57万9000人だ。

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受け取りにあたって、基本的に手続きは不要。4月末からゆうパックで順次発送され、約1カ月半をかけて各家庭に届けられる。送付先の変更が必要な場合は、すでに発送されているお知らせのはがきに記載された手続きを行う必要がある。

鹿児島市産業政策課の坂元佳代子係長は「日用品のお買い物に幅広くお使いいただけるカードです。届いたらすぐその日からご利用いただけます。ご家族みなさんで楽しく買い物に使っていただけたら」と話す。利用可能な店舗はスーパーやコンビニなど決済端末のある店舗で、市のホームページで公開されている。

「すぐなくなると思う」「ありがたい」――市民の受け止めは様々

配布を約1カ月後に控えた市内の街頭では、受け取り方は人それぞれだった。

80代の市民は「いや、すぐなくなると思う。たった5000円だったって気がした。これ聞いたとき」と率直に漏らす。確かに、日々の買い物で感じる物価の重みに比べれば、5000円はあっという間に消えてしまうかもしれない。

一方、70代の市民からは「いただけないよりは、いただけるのでありがたい。使わせていただく」「少々もらっても足しにはならないかもしれませんけど、もらわないよりはもらった方がいいかと思って」という声も聞かれた。生活費の足しになるかどうかは別として、支援そのものを前向きに受け止める姿勢がうかがえる。

「缶詰、調味料が軒並み値上がり」――物価高は依然続く

鹿児島市内のスーパーでは、野菜など旬を迎えた生鮮食品の価格は落ち着きつつある商品もあるという。しかし、加工食品や調味料の状況は異なる。

なりざわの成沢洋社長は「びん、缶詰、調味料といったものが軒並み値上がりしています」と話す。買いだめもしやすい缶詰は、生産コストの上昇によって価格が上がり続けており、家計への影響は小さくない。

同店では、価格を抑えたプライベートブランドのサバ缶を増やすなど、価格に敏感な利用客のニーズに応える工夫を続けている。物価高が長引く中、消費者も店舗も、日々の選択で対応を迫られている現状が見えてくる。

「年金が出るタイミングで特売を仕掛けたい」

ギフトカードの配布を、商機として見据える動きも出ている。

成沢社長は「せっかくそういった券が出ますので、4月の中旬以降、4月の15日ぐらいは年金も出ますので、そのタイミングで特売を仕掛けたい」と意欲を見せる。年金支給日とギフトカードの利用が重なるタイミングを狙い、消費を後押しする戦略だ。

市の支援策が、地域の商店街やスーパーでの消費活性化につながるかどうか。物価高騰に苦しむ市民の生活と、地域経済の両面に波及効果をもたらすことが期待される。

5000円分のギフトカードは4月末から順次届き始める。

(動画で見る▶「1人5000円」鹿児島市が全住民にギフトカード配布へ 4月末発送、手続き不要で使える店も公開)

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