テレビ宮崎の榎木田朱美社長がアナウンサー時代に手掛けた取材とアーカイブ素材から、「今」につながる様々な出来事をひもとく特別企画。今回は1999年、宮崎が花に染まった「グリーン博みやざき(全国都市緑化フェア)」を振り返ります。シーガイアの近隣にある施設で、今も多くの県民に親しまれている「フローランテ宮崎」と「英国式庭園」のルーツは、ここにありました。(1999年4月放送)

190万人が訪れた「グリーンパワー」

4月は宮崎の街に色とりどりの花が咲き誇る季節です。今から27年前の1999年。宮崎市のシーガイア近くで、2か月余りで190万人が訪れた壮大なイベントがあったことをご存じでしょうか?空前のガーデニングブームの中で開催された「グリーン博みやざき」です。

1999年3月27日に開幕した「グリーン博みやざき」。会場を埋め尽くしたのは、1100品種、100万株という圧倒的なスケールの花々でした。

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榎木田アナのリポートは、このイベントのために設置されたモノレールから色鮮やかな花の絨毯(じゅうたん)を見下ろす映像から始まりました。

榎木田朱美アナ:
77ヘクタールの広大な敷地の中に、花と緑がいっぱいです。今回は、「グリーン博みやざき」の魅力をたっぷりお届けします。

1999年3月27日に開幕したグリーン博みやざき。「花と緑のある街づくり」をテーマに、1100品種、100万株の花や緑が広大な会場を彩りました。緑は人を元気にしてくれる。そのグリーンパワーに惹かれて多くの人々が会場を訪れ、オープンして3週間で入場者が50万人を超えるという人気ぶりでした。

榎木田朱美アナ:
ここは「不思議の小道」と言われる場所です。一見、普通の散歩道なんですが、実は周りにちょっとした仕掛けがあって、人気のスポットとなっています。

木々の間につるされた「仕掛け」によって、風が吹くとともに不思議な音が響きます。宮崎の強い日差しを遮る木々と木漏れ日、さわやかな風と共に聞こえる不思議な音。ずっと過ごしていたくなる、癒しの空間がそこにありました。

イギリスから資材を直輸入「英国式庭園」

「グリーン博みやざき」の目玉の一つが、本格的な「英国式庭園」でした。

庭園を構成する壁や窓といった建設資材のすべてを、本場イギリスから輸入して造り上げたというこだわり。当時、ガーデニングに憧れていた人たちにとって、宮崎にいながら異国の風を感じられるこの場所は、絶好のフォトスポット(当時はまだフィルムカメラが主流でしたが!)でした。

この「英国式庭園」は、当初はイベント終了後に取り壊される予定でしたが、多くの県民から取り壊しを惜しむ声があがり、存続が決まりました。27年経った現在も、季節の花々で彩られる緑豊かな美しい庭園として。また、まるでイギリスに行ったかのような、本格的な紅茶でティータイムを楽しめるスポットとして、親しまれています。

全国ブレイク前「鶏の炭火焼き」「チキン南蛮」も

当時、榎木田アナは、会場限定のグルメもリポートしていました。

宮崎の地ビールを飲みながら、当時はまだ全国区ではなかった「鶏の炭火焼き」や、「チキン南蛮」、それに、鮮やかな紫色が目を引く「ムラサキカンショ(紫芋)のソフトクリーム」が紹介されていました。

花を愛でるだけでなく、「食」でも宮崎をアピールしようという当時の活気が伝わってきます。

榎木田朱美社長(現在)の回想

当時を振り返り、榎木田社長はこう話します。

【フローランテ宮崎の原点と「徹夜のお弁当」】
今では冬のイルミネーションや夏のランタンナイトで親しまれているフローランテ宮崎ですが、その原点が、この『グリーン博みやざき』でした。リポートの締めくくりに芝生の上でお弁当を食べるシーンを撮るために、実は前夜、ほぼ徹夜でお弁当を手作りしたんです(笑)。当時は自分で企画し、構成を立てて取材するのが当たり前でした。あの手作りお弁当は、私自身のキャスター人生のなかでも大切な思い出の一つです。

【県民の声が守った「英国式庭園」と私自身の物語】
会場にあった『英国式庭園』は、当初は取り壊される予定でしたが、存続を願う県民の皆さんの声が集まって今も残されています。実は私、数年後に結婚した際、ウェディングドレスでの前撮りをこの英国式庭園で行ったんです。取材で感じたあの場所の美しさがずっと心に残っていました。また、娘が生まれて初めて外で遊ばせたのも、この場所(現在のフローランテ宮崎)の芝生でした。私個人の人生の節目にも、常にこの場所がありました。

【宮崎のレガシーを次世代へ】
シーガイアの開業と同時期に入社し、周辺の開発をずっと見守ってきました。宮崎市はずっと『花と緑の街・宮崎』とPRしていましたが、グリーン博はその象徴的な場所になり、今の宮崎の財産(レガシー)になっています。せわしない毎日の中で、花を愛で、風の音を聞くような豊かな時間。最高の場所だと思うので、アーカイブ映像を通して、そんな宮崎の魅力を再発見していただけたら嬉しいですし、県外の方にもたくさん来ていただきたいですね。

27年後も生きるグリーン博の「レガシー」

「グリーン博みやざき」の会場跡地は、「フローランテ宮崎」として、現在も多くの市民や観光客に親しまれています。おとぎ話に出てきそうな「英国式庭園」も、根強いファンが多い癒しのスポットです。

1999年に私たちが体験した「花と緑の癒やし」のイベントは、四半世紀を超えた今も、宮崎のアイデンティティとして大切に受け継がれています。

今年の大型連休、当時の様子に思いを馳せながら、改めて宮崎の花々を愛でに出かけてみませんか。

(テレビ宮崎・アーカイブ企画班)

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