高い支持率を保ち“高市一強”と見える自民党のなかで、議員らの再結集の動きが目立ち始めている。新たな政策グループを立ち上げた福岡の大物を直撃。永田町取材に定評があるジャーナリストの鈴木哲夫氏が解説する。(2026年4月23日放送『報道ワイド 記者のチカラ』より)

最大派閥の『麻生派』は60人に

4月2日、福岡11区選出の武田良太・衆議院議員が新たな政策グループ『総合安全保障研究会』を立ち上げた。

「昭和から引きずった、いままでの派閥の形態とは全く違う、新たなる将来に向けて日本の政治のロールモデルを我々が作り上げていこうではありませんか」と挨拶した武田氏。

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初会合には福岡4区の宮内秀樹・衆議院議員、6区の鳩山二郎・衆議院議員など旧二階派のメンバーらが集まり、事実上の『武田派』の発足ともされている。

自民党では“政治とカネ”を巡る一連の問題を受け、多くの派閥が解散し『麻生派』だけが、その活動を続けてきた。その麻生派は2026年2月の衆院選のあと60人の国会議員が所属する大所帯になっている。

福岡9区で出馬し、比例で復活当選した新人の三原朝利・衆議院議員もその1人だ。「いろんな形でお力添え頂きましたし、今回、当選させて頂いた暁には、必ず麻生先生のご指導の下でと、ずっと思っていました」。

4月15日には、石井準一・参院幹事長らが『自由民主党参議院クラブ』を結成。少数与党の参議院で議員らが緩やかに繋がり、政権を支えることが目的だとしている。

息を潜めていたほかの旧・派閥も動き出していて、永田町では議員らの夜の会合が目立つようになってきた。

「人間社会、派閥ってあるんですよね」

この派閥回帰ともいえる流れについて武田氏を直撃した。

▼武田良太・衆議院議員「普通のルーティン、日常の政治活動をしているっていうだけだと思いますね。人間社会、派閥ってあるんですよね。ただ派閥とマスコミが言うか言わないかの違いだと思います」と応えた。

”武田派”には、27人の参加が見込まれているというが、20人を超すメンバーが集まったということは非常に大きいことではないのか。

▼武田良太・衆議院議員「そうですね。それで、決してその人数に拘るわけではありませんけども、たまたまそのメンバーで新たなる勉強会を立ち上げていこうと」

古い自民党に戻ろうとしているのか、それとも新しい自民党に生まれ変わる一歩なのか。いま、その動きに注目が集まっている。

「まあ派閥…と言ってもいいかな」

麻生派、旧安倍派、旧茂木派、旧岸田派、そして事実上の武田派、それぞれがはっきり動き始めている。“派閥復活”ともいえるがジャーナリストの鈴木哲夫氏はこの動きについて―。

▼鈴木哲夫氏「旧安倍派の会合に参加したベテランに『派閥復活じゃないですか』と尋ねたら『まあ派閥…、そう言ってもらってもいいかな』とはっきり言いましたからね。結局、派閥というものが再び自民党のなかで、出来つつあると僕は見ていいと思う」

▼鈴木哲夫氏「ただ、これまでの派閥とは違って気にしているのは、いわゆる裏金問題、すなわち“政治とカネ”の問題で、派閥解散をやったわけです。だからそういう意味で『政策集団だ』というアピールをしています。だけど、やっぱり権力闘争ですよ。こうやって集団を作ったら『維持していくためには勉強会やりましょう』『組織には資金がいる』『じゃあ、お金どう集めようか』みたいに、裏金事件の反省なく走っていく可能性もあるので、そこは厳しく見とかなきゃいけないですね」

派閥中心に“高市おろし”の動きも加速

一方、最新のFNN世論調査では総理の就任半年が経過した高市内閣の支持率は、70%を超えている。2027年秋には自民党の総裁選を控えているが、これだけ選挙に強くて支持率も高い状態だったら無投票の再選となってもおかしくもない。そうしたなかでの派閥復活の動きとなると、これは総裁選に向けた“高市包囲網”のサインとも見えるのだが…。

▼鈴木哲夫氏「僕はそうなっていくと思います。というのは、今の支持率も全てのメディアで見ると、ちょっとデコボコが出てきているんですね。これは何かというと、高市さんが政策の各論に入っていくと、国民のなかでも賛成・反対というのが出てくるので、全体的に高かった支持率が、いまはメディアによってデコボコが出てきている。そうなると2027年の総裁選で“ポスト高市”というのが絶対出てきます」

▼鈴木哲夫氏「今度のグループというのは権力闘争です。派閥はもともと総理総裁を目指すのが派閥だったわけなので、そういう意味では、私の取材では、今のところ外交ですごく力を発揮している旧茂木派、それから旧岸田派、ここは林さん、このあたりが『総裁選に出なくてどうするんだ』と。『外交であり、そして経済政策であり、我々だろう』みたいなかたちで派閥が中心になった“高市おろし”が、支持率が下がってくると、そういう動きも出てくる」

巨大与党の内部で監視の目があったり、党内野党だったりというのは必要な要素でもある。

▼鈴木哲夫氏「だから僕は、政策集団というのはいいと思うけれども、かつての権力闘争の集団になり、裏でいろんなことがあり、お金も動くなんてことにならないようにしてほしいなと思いますね」

(テレビ西日本)

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