4月1日から、広島市で不燃ごみの出し方が大きく変わる。黒など“中身が見えない袋”では、収集されず取り残されることに…。背景にあるのは、リチウムイオン電池による火災リスクの高まりだ。
まずは各区役所の回収ボックスへ
2026年1月から、広島市内の各区役所などに設置された黄色い回収ボックス。モバイルバッテリーや携帯電話など「使用済み小型家電」を回収するものだ。
回収ボックスは市内8つの区役所に加え、商業施設にも設置。持ち込まれた製品はリサイクルされる。
こうした取り組みの背景にあるのが、電池を取り外せない製品の増加だ。
スマートフォンの普及とともに増えたモバイルバッテリーは、収集時の衝撃で発火するおそれがある。「有害ごみ」に分類されるが、正しく廃棄されていないケースも少なくない。
さらに、ハンディーファンや加熱式たばこ、電動ハブラシ、ワイヤレスイヤホンなど、充電式の小型家電の多くにリチウムイオン電池が内蔵されており、こうした製品のごみの出し方が課題になっている。
ごみ収集車の火災、過去5年で11件
広島市によると、ごみ収集車の火災事故は2020年度~2024年度の5年間で11件。このうち4件が不燃ごみの収集中に発生している。
広島市環境局業務第一課の尾川裕指導担当課長は、現状をこう説明する。
「近年、電池を取り外せない製品が増えています。そうしたものをそのまま不燃ごみとして出すと、ごみ収集車に積み込んだ際に発火する危険があります。火災事故は全国的に発生しており、広島市でも同様の事故が起きています」
2021年には、安佐南区の焼却施設で16日間に及ぶ火災が発生。原因はリチウムイオン電池の混入の可能性が高いとされ、復旧費用は約7億5000万円に上った。
不燃ごみは“透明か半透明の袋”で
こうした状況を受け、4月から不燃ごみのルールが変わる。
これまで認められていた中身が見えない黒いポリ袋などは使えなくなり、“透明または半透明の丈夫なポリ袋”で出すことが必要になる。さらに、ハンディーファンなど充電式電池を取り外せない製品は、ほかの不燃ごみと袋を分け、油性マジックで「危険」と書いて出す。
安全確保のための変更であり、尾川課長は「焼却施設やごみ処理施設で火災が発生しないように、市民の皆さんにぜひご協力いただきたい」と強く呼びかけた。
小さな電池が大きな火災につながることもある。中身が見える袋に「危険」と書く。そのひと手間が、街の安全を左右する。
【回収ボックスの設置場所】
広島市内8カ所の区役所、ゆめタウン広島、ゆめタウンみゆき、ゆめテラス祇園、ゆめタウン安古市、ゆめマート五日市
※破損や膨張など発火の危険がある充電式電池は、西区の西部リサイクルプラザへ直接持ち込み。
(テレビ新広島)
