2025年の出生数が過去最少の約70万人という衝撃的な発表が厚生労働省から出ました。
この数字は当初の予測より17年も早く、日本の人口は16年連続で減少を続けています。
「周りに頼れる人がいなくなる時代」に突入した今、一人暮らしの困りごとは深刻です。
一人でいるときに起こる困りごとを解決してくれる「御用聞き」という破格のサービスが、いま話題になっているということで、秦令欧奈アナウンサーが調査しました。
■「電球交換できない」「ペットボトル開かない」現代人の切実な悩み
街で聞いた一人暮らしの困りごと。
「高い場所の電球交換は危険だから諦める」、「98歳の叔母はペットボトルが開けられず宅配の人にお願いしている」、「背中のかゆい場所に手が届かない」など…
さまざまな困りごとが発生していました。
そんな現代の困りごとに救世主が現れました。その名も「御用聞き」。
一体どんなサービスなのでしょうか。
■5分110円の衝撃価格!大阪で奮闘する小野さんに密着
大阪で「御用聞き」サービスを営む小野聖一さんに密着取材しました。
【小野さん】「こんにちは、御用聞きです。よろしくお願いします」
最初の現場は電球交換の依頼です。
初めて御用聞きを利用した依頼者は「ありがたい」と話します。
【小野さん】「電球交換もですけど、生活のちょっとした困りごと」
【秦アナ】「何でも屋さんみたいな?」
【小野さん】「そうです」
高い位置の電球交換を脚立を使ってテキパキと作業する小野さん。わずか数十秒で完了です。
【小野さん】「今回は、5分110円、プラス出張料550円の660円になります」
【利用者】「ありがとうございます!」
【秦アナ】「え、5分からでもオッケーなんですか?」
【小野さん】「オッケーですよ」
【秦アナ】「便利屋さんとかって、1時間とか、1日のイメージがあった」
【小野さん】「“御用聞きは5分110円から”が醍醐味」
従来の便利屋とは違い、5分110円からという破格の価格設定が最大の特徴。ビンのフタ蓋開けや犬の散歩、ウォーターサーバーの水の付け替えなど、生活の「ちょっとした困りごと」を気軽に依頼できるのです。
このサービスについて、利用した人は「助かる」と話し、「いくらまでなら払ってもいいですか?」という質問には「1000円まで」とサービスに価値を感じている様子です。
■1年以上暗かった洗面所がついに明るく
電球交換の依頼は、非常に多く、中にはこんなパターンも。
1年以上電球が切れたままの洗面所の修理依頼がありました。
【小野さん】「取り外して、電球を買いに行って、最後取り換えまで」
取り換えだけでなく、買い替えまで依頼することができるというのです。
【初めて御用聞きを利用した人】「ずっと1年以上暗かった。ここの(隣にある)洗面所をつけて、なんとかしてました」
【秦アナ】「1年以上?」
【初めて御用聞きを利用した人】「でも不便で不便でね、やっぱり」
小野さんは電球を確認し、近くのスーパーで購入。依頼者の「このメーカーがいい」「できるだけ安い物にして」など可能な限り要望に応えてくれる、細やかさもうれしいポイントです。
1年ぶりの電球交換は、料金は880円でした。
【初めて御用聞きを利用した人】「明るい。心置きなくスイッチが入れる。こんあんね、頼める人がいなくてね、困ってました」
■人間性が決め手?リピーターが語る小野さんの魅力
何度も小野さんに依頼しているリピーターさんがいました。手術後で体が動かない時期にカーテンレールの取り付けを依頼したそうです。
【御用聞きの常連さん】「仕事もきちっとしてくれるし、それと人間性の問題かな。嫌味がないでしょ、彼は」
【小野さん】「ほんまに思ってくれてるんやったらうれしいな」
【御用聞きの常連さん】「思ってなかったら私、即チェンジするから」
■5つの仕事を掛け持ちしながらも続ける理由
この「御用聞き」というサービスは、16年前に東京で誕生し、小野さんは4年前に大阪で事業を開始しました。
しかし収入面では厳しい現実があります。
【小野さん】「なかなか厳しいです、まだ。ご依頼がなかったら僕たちも動けないので、まだまだ。厳しい状況ではあります」
【秦アナ】「今は全部でいくつの仕事おをしている?」
【小野さん】「5つぐらいやってます」
「御用聞き」のほかに、障害者支援やヘルパーなど5つの仕事を掛け持ちしているそうです。
それでも「御用聞き」を続ける理由は何でしょうか。
【小野さん】「自分よりも、他人が喜ぶのを小さい頃から見たかった。『他人の役に立ちたい』というのが、ずーっとあるんです」
元々病院や高齢者施設で働いていた小野さん。福祉の現場で培った「人の役に立ちたい」という想いが原動力となっています。
■視力を失った女性に希望をもたらしたサポート
小野さんのサービスで人生が変わったという利用者もいます。40歳で視力を失い、10年間苦しみ続けてきた女性です。
女性は視力を失い、やがて目の黒い部分も白くなっていくと医師から聞き、「黒のコンタクトレンズ」を装着したいと考えるようになったそうです。
そんな中、去年御用聞きを利用し始め、小野さんと出会ったことが背中を押してくれたと言います。
【女性】「(医師の)先生が、『自分でやれるんならやってもいいよ』ということで、コンタクトレンズをつける時の見守りを御用聞きさんにお願いしたら、快く引き受けてくださって」
小野さんは5回にわたって女性のコンタクトレンズ装着をサポート。
【女性】「『今表向きになってるよ』とか、手の感覚と『このへんでやったら、ちょうど入るよ』とか、『頑張れ』とか、『あともうちょっとや』とか。“これは絶対できるようになるわ”という、直感みたいなものが浮かんできて」
その結果、女性はひとりでコンタクトレンズを付けられるようになったのです。
【女性】「できるようになったことで、『やればできるんやな』と。すごく前進しました。やっと光が見えてきた。小野さんと出会って。『盲導犬と一緒に歩きたいっ』というのが10年前からの夢やったんで、これをちょっと挑戦しようとなって。本当に感謝しています」
■365日ご用聞きで生活したい
【小野さん】「この仕事に出会えて、めちゃくちゃ良かった。この仕事があるから、ワクワク毎日生きていける。この御用聞きだけで成り立つような、仕事ができればとは思ってます」
小野さんの最終目標は明確です。
【秦アナ】「それはもう365日ご用聞きでいきたい?」
【小野さん】「いきたいです」
【秦アナ】「休みなくても?」
【小野さん】「休みはほしいです」
人口減少社会で孤立が進む中、5分110円から気軽に頼める「ご用聞き」サービス。
技術だけでなく、人と人とのつながりを大切にする小野さんのような存在が、今後ますます重要になっていくかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー」2026年3月6日放送)