岡山県和気町の小学生が、地域の人を招いて人権問題について考える手作りのイベントを開催しました。取り組んだのは、偏見・差別が根強く残るハンセン病の問題、子供たちが学んだこととは。
◆「ハンセン病 正しく知って 差別なし」和気町の小学6年生が「かるた」で学習の成果を披露
〇イベントの様子
(かるた)「ハンセン病 正しく知って 差別なし」
子供たちが自ら考え準備したこのイベント。2月28日、岡山県和気町で行われた「人権カーニバル」です。本荘小学校の6年生36人が人権の大切さを多くの人に伝えたいと企画したもので、未だ偏見・差別が根強く残るハンセン病の問題に1年かけて取り組んだ成果の場です。
(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)
「きょうは頑張って!」
(担任)
「中尾さんこんにちは」
瀬戸内市のハンセン病療養所長島愛生園に暮らす中尾伸治さんとの出会いが、子供たちを大きく変えました。
◆学校では子供たちから質問攻めに…中尾さん「人権問題に真剣に取り組んでくれた」
【人権カーニバル前日】
子供たちは、教科書で「差別」や「人権」という言葉に触れ、岡山県にハンセン病の療養所があることを知りました。
(児童は…)
「社会(の授業)で発表した人たちから「行ってみませんか?」と声をかけてくれて「行きたい!」と行きました」
長島愛生園を訪れ園内を見学したあと、学校に中尾さんを招き、直接話を聞きました。
(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)
「終わったかと思ったら、担任の先生が質問ある人、ということで、また質問を聞いた。児童みんなが手を挙げて質問してくれた。人権問題に真剣に取り組んでくれた」
◆強制隔離された歴史を学んだ児童「その人を見た目ではなく、中身を見ることが大事」
ハンセン病は、国の誤った政策で患者が強制隔離された歴史を学んだ子供たち。活動を続ける中で、クラスに変化が現れてきました。
(児童は…)
「暴言など、今まで相当ひどいことだったと改めて分かった。ごめんなさいという気持ち」
「その人を見た目ではなく、中身を見ることが大事」
人権を守る大切さを実感した子供たちは学んだことを広めたいとパンフレットを作りました。印刷費用は校長に直談判、さらに・・・。
(本荘小学校 鈴木隆幸校長)
「子供たちの願いを、ぜひ言葉で伝えたいと思った。(テレビ局に)電話をかけた」
マスコミにも情報提供し、町の内外に発信する準備もできました。
◆中尾さんとの出会いで「差別の苦しさ、人権の大切さ」理解 子供たちの豊かな発想に驚く大人
【人権カーニバル当日】
(児童)
「きょうはお越し下さり、ありがとうございます。これから人権カーニバルを開催します」
【クイズ】
「ハンセン病療養所は長島愛生園以外にもある。〇か×か?」
「正解は〇です。全国にもハンセン病療養所があり、長島愛生園の近くには邑久光明園があります」
〇ボウリング
(中尾伸治会長)
「うまいこといくかな?」
(児童)
「うまいこといきますよ、中尾さんなら!」
「あー惜しい」
*2回目「おー!」
【新聞記者も取材に…】
〇ゲーム
「差別いじめなくそうよ」「だって仲間がいるんだもん」
(本荘小学校 奥橋沙也加教諭)
「遊びと人権を結び付けながら、大切なことを学んでもらえる空間になった、大人向けに文字の展示や映像も流して、大切なことも合わせて伝えられる空間ができた。子供たちの発想にびっくり」
(児童は…)
「中尾さんと出会ってから、差別は苦しいこと、人権は大切にしないといけないと思った」
「ハンセン病が怖い病気ではなく、差別をする人が悪いと知れてよかった」
「中尾さんのことをずっと思いながら、“人権”を頭に入れて行動したい」
(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)
「泣きそうになった。色々考えてやっていた。すごい」
◆「偏見・差別」解消へ続く未来へ…子供たちへの願いを秘めた「さようなら」の言葉
もうすぐ卒業する子供たち。イベントを通じて学んだことは偏見・差別が解消された未来を切り開く、大きな力になるはずです。
(児童と中尾伸治会長)
「さようなら、おじいちゃん!」
「おじいちゃんやで!」
「中尾さんありがとうございました」
「さようなら」