今シーズン前半は色落ちもなく順調だった有明海の養殖ノリ。しかし後半は出品枚数の4分の1が色落ち。雨が降らず晴天続きで植物プランクトンが活発化し赤潮も発生。ノリに必要な海の栄養塩の不足が原因だという。

シーズン後半になって“色落ち”が…

佐賀県沖の有明海で摘み取りが始まった養殖ノリの主力ともいえる「冷凍網ノリ」。

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この冷凍網ノリに異変が生じている。色が薄く黄色になる“色落ち”が養殖ノリシーズン後半になってみられるようになったのだ。

色落ちした養殖ノリ
色落ちした養殖ノリ

今シーズン前半の養殖ノリは、秋芽網ノリの色落ちはなく好調な滑り出しだった。5回目の入札会までの累計枚数は約9億7600万枚にのぼり、この時点で昨シーズン全体をすでに上回っていた。

この時のノリ網を一部冷凍保存し、再び張り込むのがシーズン後半の冷凍網ノリ。日本一奪還への期待が高まっていた中、なぜ色落ちが始まったのだろうか。

「雨が降らないのが一番の原因」

色落ちの原因は今年の記録的ともいえる“少雨”だと漁業者は指摘する。

ノリ漁業者 竹下幸佑さん:
雨が降らないのが一番の原因だと思います

ここ数年の不作の大きな要因と考えられているのがノリの栄養塩不足。
今年に入り雨が少なく、川から海へ栄養分が運ばれないことによって急激に栄養塩が不足し、色落ちするノリが出てきたとみられている。

佐賀県有明海漁協によると、佐賀だけではなく福岡や熊本など有明海全域で栄養塩が不足し色落ちが見られるという。

晴れ続きで植物プランクトンが活発化

今年1月16日に撮影した有明海。海一面に広がっているノリ網に異変が見られた。

ノリ網が一面に広がる有明海
ノリ網が一面に広がる有明海

ノリ網をよく見ると、ノリがついていないようなところがある。ノリは育っているものの色が抜け透けているためだ。

色が抜け透けているノリ網
色が抜け透けているノリ網

また、海上では赤潮も発生している。赤潮の原因である植物プランクトンはノリに必要な栄養塩を消費する。

晴れが続くと日光で植物プランクトンは活発になり、ノリ色落ちの原因になるという。

出品されたノリの4分の1が色落ち

2月18日の入札会では、冷凍網ノリの平均単価は去年より9円ほど安い15円11銭で、出品されたノリの4分の1が色落ちしていた。

また今シーズンの冷凍網ノリでは、特に高い品質のノリが選ばれる「佐賀海苔有明海一番」の基準に達するものがなく、昨シーズンに続き2年連続で認定がなかった。

佐賀県有明海漁協 中島光参事:
栄養塩が少なく赤潮が発生したことで、せっかくいい冷凍網が入庫されたなかで、非常に残念な結果が少し出ている

海況の回復がノリの出来を左右する

一方、出品枚数の累計は18日、4年ぶりに10億枚を超えたほか、販売額は約249億円とすでに今シーズンの目標を達成した。

佐賀県有明海漁協 中島光参事:
雨の予報が出ているので、どこまで海況が回復するかでノリの出来栄えが左右されると思っている

漁業者は色落ちの網を撤去し、残ったノリに栄養が行きわたるようにするなどの対策も行っているという。

冷凍網ノリのシーズンは3月まで続く。
毎年のように色落ちに苦しんでいる有明海の養殖ノリ。今シーズンの正念場を迎えている。

サガテレビ
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