病院で診察を受けたあとの処方箋や会計、薬の待ち時間を短縮できるシステムが全国の医療機関で広がっている。
JR東日本が駅構内にオンライン診療ブースを設置するなど、時短や利便性向上の取り組みが進んでいる。
診察中に「横」で処方箋を作成
生活に欠かせない病院。
街では、「半日はつぶれそうなイメージ」「病院で『何時間待たせるんだ!』という声を聞いた」と、待ち時間が長いという声が聞かれた。
しかし今、診察後の待ち時間を大幅短縮できる病院が増えている。

「イット!」は1日に約400人が来院するという「やちよ総合診療クリニック」(千葉・八千代市)を取材した。

外来患者が診察室に入ると、担当医師のすぐ横にもう1人スタッフの姿があった。
沖一匡院長:
痛み止めはどうします?
患者:
一緒にお願いします。
沖一匡院長:
わかりました。一通り出させてもらいます。
すると、医師と患者の会話を受け、隣のスタッフがすぐに動き出した。

診察と同時進行でスタッフが処方箋を作成、医師が診察を終えたその場で患者に手渡した。
とはいえ結局、受付での支払いで待たされるのでは…と思いきや、患者は受付のスタッフに会釈をしただけでまっすぐ出口へ向かった。
病院を出たところでこの患者に話を聞くと、「お金を支払う待ち時間がまったくない。すぐに帰れる」という。

診察から出口への直行を可能にしているのが、「クロンスマートパス」というシステムだ。
一度クレジットカードなどの登録を済ませれば、診察後に受付での支払いが不要になる。
現在、全国で2000件以上の医療機関で導入されている。
この日、発熱で受診し、初めてシステムを利用した60代の男性は、「楽でした。ここに来てまだ1時間ですよ」と帰っていった。
ほかのことをしながら薬を待つ
待ち時間の短縮は、診察後だけではない。
クリニックをあとにした女性患者が次に訪れたのは、ショッピングモールの中にある薬局だ。

女性患者:
買い物をしていたら、「薬が用意できました」ってメールが来たので、今取りに来ました。
薬局でも待ち時間の大幅短縮が可能となっていた。

病院で作成された処方箋は直接、薬局へ送信される。
そして薬局側で薬の準備ができ次第、患者に通知が来るため、患者はそれから受け取りに行くだけ。待合室でじっと待つ必要はない。

この“時短システム”は働く側の助けにもなっているという。
クリニックのスタッフ:
「まだですか?」と聞かれる回数が減ってきた印象があり、会計をしているスタッフにも心の余裕が出てくる。
患者にも働く側にもうれしい“今どきの病院事情”はほかにもある。
“駅ナカ”でオンライン診療
山﨑夕貴キャスター:
かかりつけの小児科がクレジットカードを登録しておくシステムで、子どもが一緒の時に待ち時間が少ないのは本当にありがたいです。

榎並大二郎キャスター:
今どきの病院事情、1つ目は「お出かけ途中に駅ナカ診療」です。

JR山手線・日暮里駅の改札を入った場所にある、テレワークブースに見えるもの。
これはJR東日本が始めたオンライン診療受診ブース「LX Doctor」です。
内科・皮膚科・耳鼻咽喉科を受診することができます。
会員登録とブースの予約をして空いていれば、最短15分後から利用可能です。

Suicaをかざして入室すると、血圧計や体温計、さらに血中の酸素量を測るパルスオキシメーターが設置されています。
受診する科を選んで問診票に回答すると、診察スタート。
診察の支払いは、事前に登録したクレジットカードから引き落とされます。
処方箋は電子処方箋として携帯電話に送信されます。
ただし注意点として、熱が37.5℃以上ある方は利用不可です。

5月20日に開始され、現在は山手線沿いを中心に首都圏エリアの20の駅に21のブースが設置されています。5年後までにJRの駅など全国500カ所に設置予定ということです。
例えばお出かけ先で体調が悪くなった場合にオンラインで診察を受け、最寄り駅に着いたときに近所の薬局で薬を受け取ってそのまま帰宅できることになります。
吉岡恵麻キャスター:
仕事の昼休みなどにも駆け込めそうですね。
安宅晃樹キャスター:
子どもは元気だけれど自分が体調を崩してしまったというときなどにいいなと。あと花粉症の時期、インフルエンザもはやっているけれど、花粉症の薬だけ欲しいんですというときにも。
「キャンセル料」には複数の条件
榎並キャスター:
今どきの病院事情、2つ目は「診察キャンセル料どこまで?」です。
6月から一部の医療機関が、患者にキャンセル料を請求できるようになりました。
どういう場合にキャンセル料が発生するのか。

対象となる医療機関は「予約料を取ります」と国に届け出ている約900の医療機関のみです。予約に料金がかからない、いわゆる普通の予約をしている病院は対象外です。
そのうえで、「あらかじめキャンセル料の支払いに同意した患者」が、「直前に患者都合でキャンセルした場合」のみキャンセル料を請求することができます。
医療機関側が事前に準備をし、そのコストがかかるのでキャンセル料を、ということでもあるそうです。連絡一本も大事ですね。
(「イット!」6月9日放送より)
