食の雑誌「dancyu」の元編集長・植野広生さんが求め続ける、ずっと食べ続けたい“日本一ふつうで美味しい”レシピ。
植野さんが紹介するのは「野菜のみそ汁」。
池袋にある定食屋「Teishoku美松」を再び訪れ、大きめに切られた季節の野菜の甘みと出汁の旨みが、じんわりと身体に染み渡る主役級の一杯を紹介。
店主と息子が親子2代で切り盛り、いつまでも変わらない一汁三菜を基本にした丁寧な仕事にも迫る。
親子2代で営む一汁三菜の定食屋
植野さんがやってきたのは、池袋駅から徒歩2分の場所にある、1987年開店の「Teisyoku 美松」だ。
カウンターが11席のこぢんまりとした空間は、街の喧騒を忘れさせてくれるような、木の温もりが感じられる温かな雰囲気。

以前は店主・田村久雄さんがひとりで調理を担当していたが、現在は息子の庄之助さんも加わり、親子2代で営んでいる。

メニューは基本、一汁三菜の定食。ご飯とみそ汁、小鉢や漬け物。「銀ダラみそ焼き」や「カキフライ」など、魚介を使ったおかずがメインをつとめる。

ランチタイムにはおむすびやお弁当のテイクアウトも。心がほっと安らぐ素朴な味わいで、丁寧な仕事が光る店だ。
生産者ともお客さんともつながりたい
今回5年半ぶりの訪問をした植野さん。その間に変わったことは、約3年半前から、息子の庄之助さんが入ったことだという。

庄之助さんはお店に入った理由を「もともと天ぷら屋で修行していましたが、その時からここで働く前提で修行していました。それこそ高校の頃、学校が終わって家に帰って来て、ご飯がないからってお店でサラリーマンに紛れて学生服で食べていて、“あぁ美味しいなぁ”と思っていました」と思い出を語った。
「頼もしいですね」と振られた父・久雄さんは「単純に戦力になる」と笑顔で話した。
庄之助さんは今、新たな取り組みを行なっている。

知り合いが運営する埼玉県熊谷市の農園にたびたび訪れては作業を手伝い、店で使う野菜の一部を自ら育てている。
庄之助さんは「自分で生産に携わったものを(店で)使うっていうのもありますが、食べ物のありがたみ、農家さんの大変さ、そういうのを近くで見ていろいろと感じるものもある。できるだけ生産者とつながりながら、お客さんともつながって…」と語った。
父への揺るぎない尊敬と、生産者への感謝の思い、今後も親子二人三脚で歩んでいく。

本日のお目当て、Teishoku 美松の「野菜のみそ汁」。
一口食べた植野さんは「野菜たっぷり入っていますけど、これでメインになるくらい具だくさんな味噌汁」と感動していた。
Teishoku美松「野菜のみそ汁」レシピを紹介する。
