60年以上続く生花店「華つねまつ」の3代目、恒松皇樹さん。彼は、プロが選んだ珍しい季節の花が届く定期便「TOTONO.U」を立ち上げた。花を飾ることで生活や心を「整える」という新しい価値を提案し、花のある暮らしの文化を未来へ繋ごうと挑戦している。

今年度で4年目の取り組みとなる、アトツギ伴走支援プログラム「GUSH!」。

これは、5年後、10年後の家業を見据えて新たなチャレンジに取り組む後継ぎ(アトツギ)を、専門家を交えてサポートする県の支援プログラムである。

ーー大分県経営創造・金融課 秋吉良継さん
「7か月間、チームを組んで支援者を配置し、一緒に考え、悩みながらご自身の課題を洗い出し、解決策を見いだす内容」

2025年度は8人の後継ぎが参加し、新サービスや新商品の開発に取り組んだ。

60年続く生花店の3代目が挑む新サービス

そんなアトツギの一人が、恒松皇樹さん。60年以上続く大分県別府市の生花店「華つねまつ」の3代目アトツギだ。

彼が始めた新事業が、花の定期便サービス「TOTONO.U(トトノウ)」である。

「TOTONO.U」は、自宅にいながら季節の花を楽しめる定期便の配送サービス。

自宅以外にも届けることが可能なため、最近では離れて暮らす家族へのプレゼントとしての利用も増えているという。

名前に込めた「整う」という価値

なぜ、サービス名は「整う」なのだろうか。

――恒松さん「お客さんにアンケート取ったときに、お花を飾ると、その周りをきれいにしたくなって、家の掃除だとかをすごい積極的にするようになって、いい循環になると聞いた。生活環境だったり、自分の気持ちとかをお花で整ってもらいたいなっていうところから、このサービス名にしました」

花を通じて、環境や暮らし、そして気持ちまでが快適になるように。そんな思いが名前に込められている。

プロが選ぶ、珍しい品種へのこだわり

「TOTONO.U」は月に1回、2,200円からという価格で利用できる。好みの花や金額、配達頻度など、ライフスタイルにあった要望にも応えてくれるのが特徴だ。

また、利用者には花瓶や栄養剤などが割引価格で購入できるサービスも提供。気軽に旬の花を楽しめると好評を博している。

サービスの魅力は、価格だけではない。

――恒松さん「結構仕入れにはこだわってて、変わったお花とか、ま、なかなか普通だと、あの、見れないお花、品種だったりとかを、ま、頑張って揃えるようにはしてます」

先代が見守る3代目の新しいチャレンジ

新サービスを立ち上げた皇樹さんを、先代である両親はどのように見ているのだろうか。

――父・宗典さん「とても頼りになります。やっぱりいいアイデアとか、若い感覚でいろいろね、意見を言ってくれるので、とても助かってます」

母・智美さんは、皇樹さんが東京で5年ほど過ごした経験が生きていると話す。

――母・智美さん「帰ってきてから、私たちが『えっ』ていうようなことも、してくれたり、発言してくれたりするので、発見もあるし、やっぱ若者はいいですね」

ポジティブな継承と、未来へのビジョン

花や植物を飾る習慣が薄れつつある現代。花離れを食い止めようと奮闘する皇樹さんだが、家業を継ぐことへのプレッシャーは感じていなかったという。

――恒松さん「父も母もそんなにあとを継いでほしいと強要してこなかった。あんまりプレッシャーっていうよりは、どちらかというと祖父が始めて、父と母が引き継いで、僕が引き継げたらいいなっていうポジティブな思いのほうが強い」

そのポジティブな思いが、新たな挑戦へとつながっている。

――恒松さん「僕としてはお花を飾るっていう習慣だったり、文化っていうのをもう少し広めていきたい。その魅力を伝えていきたいと思ってて。ただ、お花飾るのってちょっとハードル高いなとか、そういうのあると思うんですけど。そこは僕らプロが知識とか技術をお伝えして、こういうふうに飾ったらいいんだよっていうのを、広めていけたらいいなというふうに思っています」

60年以上続く伝統を守りながら、現代のライフスタイルに合わせた新しい価値を提案する恒松さんの挑戦。

花と共に暮らす文化そのものを未来へ繋ぐ試みといえそうだ。

テレビ大分
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