木村 知事が県民と意見を交わす『お出かけ知事室』が3月12日で県内49市区町村を一巡する予定です。意見交換には大人だけでなく、中・高生なども参加し、時には県民からの厳しい意見も挙がります。
【木村 知事】
「私の政治方針の根幹をなすのは徹底した『現場主義』。現場にこそ真実があり、解決の糸口がある」
17日に開かれた県議会で、『お出かけ知事室』について述べた木村知事。県民との意見交換を県政へのアイデアに生かそうと、おととし4月の知事就任後、上天草市を皮切りに県内全市町村を回る『お出かけ知事室』を始めました。
地域によっては、熊本の次の世代を担う中学生や高校生も参加し、木村知事と意見を交わします。
出向いた市町村によって出てくる意見はさまざまですが、共通する地方の課題として、公共交通があります。
【五木村の参加者】
「交通でバスやタクシーがなく、ライドシェアなどの考えはあるか」
【木村 知事】
「球磨地域振興局もしっかり聞いてほしいけれども、私が大号令をかけている分野が『地域公共交通』。運転手が足りないので、例えばスクールバスやデイサービスの送り迎えなど、地域のタクシーやバスがバラバラなので人手が足りず、乗客もいない。それでも教育の送迎バスや福祉車両と横串する話になっていない。それができたら、
もっと広がると私は思っている」
木村知事は、ドライバー不足の中で、地域を走るスクールバスや福祉車両を、それぞれの送迎以外の使わない時間帯にコミュニティーバスなど地域交通として活用したい考えを示しました。
この『お出かけ知事室』から約2カ月後、2月13日に木村知事はある方針を打ち出します。
【木村 知事】
「今ある輸送資源をフル活用する取り組みを国のモデルになるように熊本県もチャレンジしていこうと。『お出かけ知事室』とか行くと地域の皆さんは悩み、チャレンジしている。そのための公共交通の予算も来年度に向けて準備しているし、国の補正予算も積極的に取っていきたい」
木村 知事は買い物や通院など、コミュニティーバスの利用者の移動のニーズはそれぞれの市町村内にとどまらないことから、県が『橋渡し役』になるような新たなプロジェクトチームを県庁内に立ち上げ、課題解決に挑みます。
また、外国人人材の受け入れに対しては、参加者の中でも意見が分かれます。
【熊本市北区の参加者】
「外国人も国を選び、県を選ぶ。熊本が選ばれるためには共生をしっかりアピールしないといけない」
【熊本市北区の参加者】
「ネット上では『ヨーロッパやアメリカで、移民問題で国がメチャクチャになっている』と。SNSが全て正しいとは思わないが、いろいろな情報があり、そこを見て考えてほしい」
これらの意見に対して、木村知事は一部で懸念の声が上がった、国の特区を活用した熊本県の家事支援外国人の受け入れ事業を例に、自身の考えを示します。
【木村 知事】
「今の日本の外国人の入国管理制度はかなり甘い。正確に言うと、入るまでが厳しく、入った後はずさんだと思っている。市町村は、どこに住んでいるかは知っているが、どこで働いているかは知らない。労働局は企業にどの国の人が何人いるかは知っているが、どこに住んでいるかは知らない。入管はどこの国の人がいつまでいるかは知っているが、どこに住んでいるかは把握していないという非常に縦割りの状況。これを〈一気通貫〉して『名寄せ』したいのが私の思い。特区の外国人材は規制を緩和するように聞こえるが、県と労働局、入管、市町村が一緒になって情報を名寄せする。だから、管理できる仕組み」
木村 知事は現状、縦割りで管理が十分ではない外国人材の受け入れについて、特区を活用することで県が国や市町村と一体となった第三者管理協議会で一元管理できると説明。さらに「日本のルールやマナーを守って、熊本でいい思い出をつくってほしい。そして、母国に帰っても熊本のファンになってほしい」と自身の考えを述べました。
一方、『お出かけ知事室』では、その地域が持つ長年の県政課題について、厳しい意見が挙がります。
【人吉市の参加者】
「県が主体となって、住民と一緒に検証することをお願いする」
【木村 知事】
「有識者を含めて科学的に検証した結果であり、全員の住民の意見ではないが、丹念に情報を集めて、被災者の写真を含めたところでの一定の結論について、私は重視している」
【人吉市の参加者】
「共同検証をやっていただきたい。木村 知事は十分だと思っているだろうけれども」
【木村知事】
「再検証は、これまでを全否定することなのでできないが、しっかりと疑問に答えられるように丁寧に説明していきたい」
【五木村の参加者】
「何でもいい、住民投票でも、アンケートでも、記名投票でも。(村民)全員からダムに対する賛否の意思を知事の力で取ってほしい」
【木村 知事】
「私は〈イエス〉か〈ノー〉を迫って対立をあおることはしたくない。村が総合的に判断したことで一緒にやっていきたい。村は村の苦労がこれまであって〈賛成〉〈反対〉の意見がある中で、悩んで悩んだ結果だと思う」
これらの『お出かけ知事室』で直面する地域の県政課題への厳しい意見について、木村知事は2026年の年頭会見で、「ちゃんと言ってもらえると誠意を持ってこちらも返せる。対面で会って意見を聴くことの意義を私は常々感じている。100パーセント分かっていただけることはないし、それぞれの考えがあるが、私たちの考えを伝える場としても対話の場は重要だと考えている」と、自身の考えを述べています。
3月12日に菊陽町で開かれる『お出かけ知事室』で県内49市区町村を回り終える予定で、今後の開催方法は、一巡したことでより良い方法を検討中ですが、木村 知事は県民と対話する場を設けることにしています。
この『お出かけ知事室』、20日(金)は熊本市中央区のくまもと県民交流館パレアで午後6時半から開かれます。直接、意見交換をする参加者の募集は締め切られていますが、傍聴は自由です。