授業の準備や採点などの業務以外にも、運動会など学校の関連行事、さらには、部活動で休日も引率する場合もあるなど、教職員への過度な負担が問題視され、東京都では、学校における働き方改革を進めている。
2025年に東京都が実施した調査によると、1カ月あたり45時間以上の長時間勤務を行った教職員の比率は、公立小学校で33.8%公立中学校で47.7%、都立高校で33.8%だった。学校の運営上、副校長に業務が集中する傾向もあり、小中高、いずれにおいても1割以上の副校長が、1カ月あたり80時間以上の長時間勤務となっている。
東京都では、2027年度までに45時間以上勤務する教員の割合を0%にするという目標をかかげており、これまでに実施してきている働き方改革で、1~5%の改善はみられているものの、さらなる対策は喫緊の課題である。
主な改善策として、配布物やテストの印刷といった資料作成、授業準備などを教職員の代わりに行うスクール・サポート・スタッフの配置。学校徴収金に係る事務処理業務についてはアウトソーシングを実施する。
また、コールセンターによる電話対応を都立学校で実証、保護者等から学校に対する電話連絡の一義的な対応をコールセンターが実施する。
さらに、都立学校スクールロイヤーを新設し、弁護士が保護者などとの面談に同席し、学校の代理人としても対応する。
2026年度から実施される取り組みで特筆すべきは、部活動改革だ。
2025年度に東京都が実施した調査によると、都内の公立中学校で設置されている運動部は5113部あり、休日に活動している部活動は72.4%、専門的な技術指導ができる顧問の配置は48.3%などとなっている。
教員の部活動への従事時間は、29.9%が週に10時間以上だと答え、全体の57.3%が5時間以上費やしている。約8割の教員が部活動の指導や運営及び大会運営に負担を感じていることが調査の結果としてあらわれた。その一方で、5割の教員が部活動の指導に携わりたいと答えており、教員の負担軽減が必要だという課題が鮮明となった。
東京都が実施する部活動改革では、学校部活動を地域クラブ活動に展開する、部活動の拠点化、外部人材の活用などを組み合わせた「東京モデル」を2026年度から実施する予定だ。
東京モデルにおける部活動の拠点化の事例としては、例えば野球部を3つの学校のうち1つの学校だけに設置してそのほかの学校は別の種目競技の部を設置する。指導運営は連携する学校間で分担、生徒は、自分が参加したい活動を連携校の中で選択し、参加する。
東京都では、都立中学校で70部程度を地域クラブ活動として実施するほか、推進地区でモデル的に実施する地域クラブの設立や運営の支援をしていく。また、休日に参加できる体験活動プログラムの実施などを展開するとしている。
教職課程を履修している大学生へのアンケート調査では約7割の学生が、部活動を学校から切り離し、教員以外の指導者にしてもらう制度がよいと回答、切り離すことがいいと思わない、あまり思わないと答えた学生は25.9%だった。
切り離すべきではないと答えた理由として、「教室では見られない子供たちの雰囲気を知ることで、様々な可能性が広がるから。クラブチームになると様々な負担が増える可能性があるから」などと回答、切り離すべきと答えた学生は「授業準備に充てる時間が確保できなくなってしまうから」との理由を述べているという。
魅力ある職場になればより良い人材が集まる。東京都が進める改革は、子供たちのためにもつながりそうだ。
(フジテレビ社会部 大塚隆広)