18日に召集された特別国会で首相に選出された高市早苗氏。

20日の施政方針演説では何を語るのか、そして2026年度予算案の2025年度の成立はあるのか、フジテレビ政治部の高田圭太部長と見ていきます。

20日に行われる施政方針演説の内容については、消費税、積極財政、国家情報会議などに関して演説する見通しだということですが、まず国会で真っ先に争点となるのが2026年度予算案の審議になると思います。

高市首相は“数の力”を背景に衆院選で1カ月遅れた審議を短縮させてでも年度内成立を図りたい考えだということです。

――予算案は2025年度中にまとまる?

フジテレビ政治部・高田圭太部長:
高市さんはこれまでの国会の前例にとらわれないでいいから、とにかく年度内にできないのかということですが、これまで国会の予算審議は重要とされているだけに、どこまではしょっていいのかというところはまだ答えは見えてないところです。

――自民党内で考え方が慎重な方はどのくらいいる?

フジテレビ政治部・高田圭太部長:
自民党の中でも、国会審議は野党と丁寧にやることを心得てきた人たちからすると、プライドもありますし、譲れるものは限界があるというところ。また、参議院ではまだ自民党・与党は少数なので、そこのところでも簡単ではないと考える人は多いです。

さらに施政方針演説では、裁量労働制の見直しについても表明するということです。

裁量労働制とは、労働時間などを労働者の裁量に任せて、実際に働いた時間が何時間でも契約した一定時間を働いたこととみなして賃金を支払う制度で、研究者やシステムエンジニア、記者などが対象の業種です。

経団連は、この対象業務の拡大を訴えています。

労働者にとっては働く人が自分の裁量で時間の使い方などを自由に決められるという良さもありますが、一方で残業代なしで労働者を働かせる“定額働かせ放題”なのではという反対の声があるのも事実です。

――裁量労働制は、急に出てきた話?

フジテレビ政治部・高田圭太部長:
決して急ではなく、高市首相も以前から言っていました。また、参政党や日本保守党などのいわゆる保守系の政党も、日本人の労働がもっとできるのに外国人が入ってくるのはおかしいということで、日本人がもっと働けるようにしましょう、いわゆる“働きたい改革”という視点で訴えていました。そして今回、高市首相が施政方針演説から議論の俎上(そじょう)に上げようという段階です。

――具体的にどう進めていくか決まっている?

フジテレビ政治部・高田圭太部長:
あくまで今回は「見直し」というプラスにもマイナスにも取れる表現ですが、高市さんの本音としては「拡充」。裁量労働でできるものは広げていこうという考え方だとみられます。

――拡大すると誰にとってメリットが大きい?

フジテレビ政治部・高田圭太部長:
まずはやはり経営者です。人手不足に経営者は悩んでいるので、労働者の勤務時間をそこまで気にしなくてよかったり、過度な残業代のカットも期待できます。一方で、労働者にとっても「時間を気にせず働きたい」「柔軟に働きたい」というタイプの人にはメリットがあります。ただ、給料が上がるかがポイントです。

これまでの高市首相の働き方の考え方についても見ていきます。

まず首相就任後の2025年10月、厚生労働相に対して、心身の健康維持と従業者の選択を前提とした労働時間規制の緩和の検討を行うことについて指示をしており、ここで働き方改革の話が出てきています。

さらに2025年11月の国会では、「残業代が減ったことによって、生活費を稼ぐために無理をして慣れない副業をすることで健康を損ねる方が出ることも私自身は心配」と、このように意欲を示していました。

――働けるだけ働かされる可能性もあり、いろんな懸念があるが?

SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
定期的に見直して調整するのがすごく大事なことだと思います。働きたい方でも規制してしまうのはもったいないし、働きたい人はもっと働いてもらったほうが個人のために、企業のために、経済のためにもなるわけですよね。ただ、働きたくないのに働いて、働いて、働いて参ってしまう方も世の中にいる。何がいけないかというと、企業と労働者のパワーバランスが崩れているんです。平等なパワーバランス、対等な付き合いになるように、例えば労働組合の強化で交渉力アップ。もしくは、一個人の労働者が簡単に転職できるように選択肢を増やすとかの改革も必要かなと思います。そうでないと、搾取に使われてしまう可能性はあります。

――着地点はある?

フジテレビ政治部・高田圭太部長:
やはり柔軟な働き方を確保するということと、見合った賃金が払われるか、健康が損なわれないか。この3つの中でしっかり歩み寄ることが着地点につながるのかなということはいえます。