日本時間14日に行われたスノーボード男子ハーフパイプ決勝。
戸塚優斗選手(24)が金メダル、山田琉聖選手(19)が銅メダルと“W表彰台”を達成しました。
見事、連続でのトリプルコークを決め、金メダルを獲得した戸塚優斗選手(24)。
8年前の2018年の平昌大会は決勝で転倒し搬送されて11位、かなりのけがに…。続いて2022年の北京大会は3回すべて着地に失敗しての悔しい10位となりました。
それを経ての3度目のオリンピックでの悲願達成、金メダル獲得となりました。

戸塚優斗選手:
つらい時期もたくさんあり、そのたび母や友達やコーチなどに支えてもらいました。みんなに支えてもらって取れたメダルです。
スノーボードジャーナリスト 野上大介氏:
8年間とても苦しんだと思います。本当に北京オリンピックのシーズンのワールドカップは全戦全勝という“無双状態“だったんですよ。でも平野歩夢選手が東京オリンピックで3年半スケートボードに費やしていたのに、あの滑りというパフォーマンスをしていて、優斗も焦ったと思うんですけど、それでパフォーマンスしっかり出し切れなくて、そこから基礎を見直したんですよ。もともと技数が多かったんですけれども、基礎をたたき直してしっかり技を自分のものにし、かつ高難度な彼にしかできない技を習得して…、パズルが今回“最適解”を生んだというか。
ーーQ. 優勝を決めたルーティンでの戸塚選手のすごいところは?
スノーボードジャーナリスト 野上大介氏:
すごいのは連続トリプルコーク。平野歩夢くんが北京オリンピックで話題になった技なんですけど、頭を下に3回入れるので、1個成功させるのも至難の業なんですけど、それを連続でやった上で、さらに真ん中のヒットで「アーリーウープ」っていう…。それをしかもスイッチスタンス、通常のスタンスと反対側から踏み切って通常のスタンスと反対に着地してっていうのを、連続トリプルコークのあとにやってるんですよ。この技ってだいたい最後にやるんですよ、スピードが出ないので。でもそのあとに2個大技をさらに繰り出したっていうのが、スノーボード25年ぐらい見ていますけど、信じられない。
そんな戸塚選手が優勝後のインタビューで語ったのは、平野歩夢選手について。
大会直前の大けがを抱え出場した平野選手へ対するリスペクトでした。
金メダル 戸塚優斗選手:
痛いとか、マイナスな言葉を言わないで自分のやるべきことをやっている姿だとか、昔見たヒーローのまんまというか…
骨折抱え…「決めたいトリック」決めた
五輪開幕直前の大会で激しく転倒し、骨盤など複数の骨折がある中、満身創痍(そうい)で出場した平野歩夢選手(27)。

けがを抱えながら高難度の技に果敢に挑み続け、結果は7位。
しかしその顔には、恐怖と痛みを乗り越え、最後まで滑り切ったという安堵(あんど)の表情を浮かべていました。
平野歩夢選手(決勝後インタビュー):
思い切って本当に「生きるか死ぬかの戦い」みたいな気持ちは持って滑りましたね。無事生きて帰ってこられてよかったな、本当にそれだけですね。
平野選手のけがの状況について、スノーボードジャーナリスト・野上大介氏は…。

野上大介氏:
(平野選手がけがしたワールドカップの)ラークス(スイス)の現場にもいましたし、どれぐらいひどいけがか理解はしているつもりなんですけれども、「滑れるだけでも奇跡」な状況で。しかもラークスでけがした3ヒット目で、1本目から世界最高難度の大技を繰り出していたんですよ。もちろんメダルは狙っていたんでしょうけど、やはりスーパースターなので、何か違う使命を背負っていたんじゃないかなと感じました。
間違いなく痛いですし、「痛み止めも飲んだ」って本人が言っていました。

谷原章介キャスター:
本人が言ってた「このオリンピックで決めたいトリックがある」というのをしっかり決めてきたじゃないですか。あれすごかったですよね。
野上大介氏:
3本目の3ヒット目で決めたトリック(フロントサイドダブルコーク1620)がそうなんですけれども、骨盤が折れているので…スノーボードの板を残しながら上半身がすごく先行するんですよ。旋回しているので。それをたぶん練習でもやらないで、彼は本番で出しているので。もしかしたら、彼は「これをやったら体が壊れるかもしれない」っていうところで「生きて帰ってこれてよかった」っていう言葉に結びつくと思うんですよ。
谷原章介キャスター:
生命としての「生きるか死ぬか」っていうのもあると思いますし、スノーボーダーとしての「生きるか死ぬか」…「これがもしかしたら、痛めたらスノーボード人生が終わってしまうのかもしれない」、いろんな意味が含まれてますよね。
7位というランク以上に価値のある滑りだったなと思います。
(「サン!シャイン」2月16日放送より)
