車いすテニス次世代のホープ、鈴木康平選手。
現在、世界ランキング12位(19年2月18日付)、国内ランキング2位(18年12月19日付)と、将来を期待される選手の1人だ。
 

きっかけは国枝慎吾選手の活躍

 
 
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2011年、大学1年生の時にバイク事故で左膝下を切断した鈴木選手。
ふさぎこんでいた鈴木選手の転機は2012年のロンドンパラリンピックだった。

「車椅子を始めようと思ったきっかけは、国枝慎吾選手です。ロンドン・パラリンピック決勝戦を見て、世界ではこんなにも驚くようなプレーをする選手がいるんだと」

男子シングルス決勝をテレビで観戦していたところ、国枝慎吾選手が勝利し、史上初の連覇を収めた姿に、心を動かされた。

「自分も世界一になりたい」

そんな気持ちが沸き上がったという。
 

“真面目さ”が大きな才能

 
 

国枝選手の試合に衝撃を受けた翌年から、車いすテニスを始めた鈴木選手。
高校時代はソフトテニス部に所属していたこともあり才能はすぐに開花し、力強いショットを武器に、世界で活躍する選手に成長した。

当初は軽い気持ちで始めたというが、周囲の予想を上回る早さで実績を積み重ねた。

コーチの山口憲一郎氏は、「鈴木選手は体格が非常に大柄で、見た目とのギャップがあるんですけど、非常に繊細な選手だと思います。彼は本当に真面目で、それは大きな才能だと思います」と、その真剣な練習態度に太鼓判を押す。

 
 

そんな鈴木選手は、競技開始2年目で、憧れの国枝選手と初対戦した。

「全日本選抜の大会があって、国枝選手と始めて試合をして、ボコボコに負けて、車で一人で泣いて…。何も出来なかったことに対する悔しさが凄かったです」

泣くほどの悔しさが自分を変えた。
 

“今よりテニスを楽しむ”

 
 

悔し涙から4年、2018年アジアパラ競技大会で、準決勝で尊敬する国枝選手とまた対戦することが叶った。

国枝選手に敗れはしたものの、「ちょっとずつできることが増えて、全く届かなかったところからは大きな前進かなと思っています」と明るく話す鈴木選手。

勝ち取った銅メダルという結果に、大きく成長を感じた大会だった。

 
 

そんな鈴木選手に、国枝選手という“目標”について気持ちを聞いた。

「ちょっとビッグマウスになってしまうかもしれないですけど、倒したい人のランキングをつけるとしたら間違いなく一番になります」

大事にしていることは、“今よりもっとテニスを楽しむ”ことだ。

1つでも多く勝利をつかみ取り、グランドスラム出場、2020年東京パラリンピック、そして世界一を見据える。
 

鈴木康平(スズキ・コウヘイ)

 
 

1992年7月21日生まれ 26歳
静岡県出身 AOI Pro.所属
国際武道大 体育学部体育学科卒
13年、20歳の時に競技開始。18年アジアパラ男子シングルス銅。
世界ランキング12位 (19年1月14日付)、国内ランキング2位 (18年12月17日付)。


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