伊東市の田久保眞紀 市長が辞意撤回の理由に掲げるなど、強いこだわりを見せるメガソーラー問題について記した市民団体のSNSに静岡市の難波喬司 市長が困惑の表情を浮かべました。

伊東市の田久保眞紀 市長は7月31日に辞意を撤回した際、その理由の1つとして八幡野地区に建設が計画されているメガソーラーの白紙撤回に力を尽くすことを挙げています。

これに対し、かつて副知事として同地区のメガソーラー問題に対応してきた静岡市の難波喬司 市長は8月5日の定例記者会見で「伊東のメガソーラーがどういう状態にあるのかについて、事実とは異なるような情報が出ているので、事実関係だけはっきりしておきたい」と述べた上で、現状について「河川占用の許可が得られないために橋梁の設置と事業地からの排水が出来る状態にない。従って太陽光発電事業を実施できる状態にないというのが実態。いろいろな情報が流れているが、これが事実」と説明しました。

さらに、「伊東市の職員は立場上こういうことをいま言える状況にないと思うので、当時関わっていた私がしっかりとお伝えしておく必要がある。何か行動しないとこのメガソーラーはまた復活してくるという情報も出ていると思うので、そういうところも踏まえた上でこれをしっかり伝えておきたい。もうちょっと踏み込んで言うと、逆に言うと、市長がいなければメガソーラーは止まらないということはない」とも発言し、8月21日の会見では「事実関係だけ伝えるが、まずメガソーラーについて伊東市は条例を作った。この条例は(大規模な)メガソーラーをやる時には市長の同意がいるという内容になっている。それを作ったのは前市長。宅造許可も県の林地開発許可も同じだが、要件が整ったら許可を出さないといけない。それを出さない、あるいは何か理由もなく引き延ばしたりすると不作為になり、訴えられたら必ず負ける。許可を出すという行為そのものが、事業推進にはならない。それは行政の義務。宅造の許可は条件が整ったから出しただけ」と述べています。

こうした中、田久保市長がかつて代表を務めたメガソーラー建設に反対する市民団体「伊豆高原の森と八幡野の海を守る会」が9月17日にSNSを更新し、八幡野地区のメガソーラー計画について「裁判は激しく動いている」と主張し、「何故、当時の様子を最も知るはずの元静岡県副知事(現静岡市長)の難波喬司 氏が、突然『あのような』発言をしたのか。徐々にこの問題の持つ闇の部分の姿が明らかになりつつあります」などと疑問を呈しました。

また、田久保市長もこの投稿を引用する形で、「伊豆高原メガソーラー計画は止まっている、は本当か」などと記しています。

これに対し、難波市長は9月19日の定例記者会見で「激しく動いているという根拠がわからないし、どの裁判かもわからない。なにをもって激しく動いているというのかわからないが、はっきり言うと激しく動いているという話を1回も聞いたことがない」と反論しました。

難波市長によると、SNS上には難波市長がメガソーラーをめぐる“陰謀”の一味であるかのような書き込みがあり、そうした投稿に多数の「いいね」ボタンが押されていると言い、「私も随分困ったなと思っている」と困惑した表情を浮かべ、「激しく動いているのかはわからないが、いろいろな動きをしている人と組むこと・接触することはまったくあり得ないし、私は伊東市のメガソーラー問題にいま一切関わっていない。何をもって私がそこに関与しているのかというところ。私が参戦をしたという言い方もされているようだが、私はまったくそのような意図はない」と不快感を滲ませています。

テレビ静岡
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