“新郎新婦のプラモデル”を結婚式の引き出物に…招待客は「本当にやったのか!」

カテゴリ:国内

  • 新郎新婦をプラモデル化した結婚式の引き出物が話題
  • 新郎「いつか自分だけの金型を持ちたい夢があった」
  • 新婦「面白いじゃん、やりなよ」と即答

我が道を行く引き出物が話題

「ジューンブライド」となる6月、結婚式を挙げようと考えているカップルも多いと思われるが、頭を悩ませるものの1つが招待客へ渡す引き出物。

喜んでもらえるよう、そして記念になるようにと考えるがなかなかチョイスが難しく、ネット上では「2人の名前が入った食器はちょっと使い道に困る」などの意見も見られるように、趣向を凝らしすぎると残念なことになる場合もある。

そんな中、我が道を行く驚きの引き出物を製作した夫婦のツイートが話題になっている。
それがこちら!



「マジのマジでフルスペックのゴリゴリ自腹引き出物プラモです。」

新郎新婦と思われる2体と、「寿」の文字、そしてなぜかビールジョッキから成るプラモデルだ。

投稿者は、未組立プラモ写真家にして模型専門誌の副編集長だった からぱた(@kalapattar)さんで、「多分だけどマジで私用で金型彫ってプラモになった夫婦は人類初だと思う」ともコメントしていて、新郎新婦2人を金型に彫って、ランナー(プラモデルの枠)付きの状態でプラモデルにしたものを結婚式の引き出物にしたのだ。

前代未聞の引き出物だが、ネット上では「常識が負けた…スゲーよ…」「確かに一生物になるし結婚の記念にはピッタリなのか???「それを許してくれる奥さんが素晴らしい」と、概ね好意的に受け止められている。

確かに、独創性は抜群で、他にはないプレミア品でもあるが、実際の招待客にはどう受け止められたのか。そして奥様はどう言っていたのか。いろいろ気になってしまうので、からぱたさんに話を聞いた。

「いつか自分だけの金型を持ちたい」

――ギフトのアイデアが思い浮かんだきっかけは?

プラモが好きで、プラモに関わる仕事にいろいろな形で14年ほど関わっています。その中で、「いつか自分だけの金型を持ちたい」、「『何かを再現するためのもの』という模型の役割や、商売的なアイデアを超越したプラモ(のようなもの)を作りたい」という夢がありました。

人生いくつかの節目がありますが、“結婚式”というタイミングは周囲の協力も得やすいし、自分がそれなりの額を投じるのにも納得感があると感じました。


――制作の手順を教えて?

懇意にしている職人さんにお願いして回り、新郎新婦のパーツは3Dスキャンのデータをベースに設計したほか、「寿」の字は新婦が揮毫したものを新郎がデータ化し、ビールジョッキとともにこちらも3D CADで設計してもらいました。

――ビールを彫った理由は?

新郎新婦がもっとも好きなものと一緒にひとつの金属の塊になる!ということです。


――制作で一番手こずったことは?

百戦錬磨の金型屋さんに「組めないものを作る」ということを理解してもらうことです。


実際に使われた金型。式場の受付でも置かれ大勢を驚かせた。

からぱたさんが語るように、この引き出物はもうひとつ“型破り”な点があり、通常のプラモデルはランナーから外して組み立てていくが、これは外しても組み立てる仕様にはなっていないのだ。

――当時から「組み立てることができないプラモ」の構想もあった?

ランナー(プラモの枠)を見ると、ほとんどの人間は「これは組めるものに違いない」と考えるはずです。しかし、今回のギフトはランナーからパーツを切り離した瞬間に意味がバラバラになってしまい、二度ともとに戻せないという作品になっています。

プラモの持つ、「完成と破壊が表裏一体になっている」という性質から"完成"を取り除くと、最初から完成している!というのがテーマです。ハナから「組めるもの」を作る気はありませんでした。…伝わりますでしょうか?

奥様は「面白いじゃん、やりなよ」と即答

――今まで何人ぐらいの手にこのプラモが渡っている?

200個ほどお渡ししています。


――今回のケースはどのくらいの費用がかかる?

これはすごく難しいです(ご祝儀価格でやってくれると申し出てくれた業者さんに感謝しております)。まあまあいい感じの海外旅行1回分、としといてください。

――奥様の感想は?

「金型起こしたいんだけど…」とおうかがいを立てたところ、「面白いじゃん、やりなよ」と即答でした。仲間とシェアできる思い出がモノとして残ったことには納得してくれているみたいです。

――知人友人の反応も聞かせて?

友人も親戚も会社同僚も受付に置いた金型を見て「本当にやったのか!」と驚き呆れていましたが、私の普段の仕事や趣味に理解のある方々に恵まれ、帰りにプラモを渡したときは皆さん笑顔で受け取ってくれました。

家の棚にそのまま飾る人、メッキ加工をすると意気込んでいる人、帰ってすぐさまお子さんのおもちゃにしちゃう人、塗る人…いろんな人がいましたが、プラモの持っている妙な力(そのままでもうれしいような、組みたくなるような…)に対して、それを手に取った人たちが発してくれた言葉は全部違って全部うれしかったです。

ノリのいい奥様とともに結婚式で自分の夢を叶えたからぱたさん。「新郎新婦のプラモ」の引き出物は、招待客にも温かく受け止められ、いい思い出を築くことができたようだ。