「ややカタくなる傾向がある古米は、ご飯がパラパラしているほうがおいしく感じる料理との相性が良いといえます。具体的にはチャーハンやカレーライスなど。お寿司にも向いています。少し粒がしっかりしていたほうが口に入れたときにシャリがほどけやすく、古米をあえて使うお寿司屋さんもあるくらいです」
ニオイが気になる場合は
このように古米特有の食感は、食べ方の工夫で印象を薄めたり、逆にその特性を活かした味わいに仕上げたりすることが可能だが、「ついたニオイは消し去るのが難しい」という。
米は、収穫から2、3年が経過すると、米に含まれる脂質が酸化することで、鼻にツンとくるようなニオイが感じられる場合がある。

「米の酸化したニオイは、洗い方や炊き方を工夫しても消し去ることは難しいです。なので、チャーハンにするなどしてしっかり味をつけるとニオイを感じにくくなるでしょう」
「古米はおいしくない」と敬遠する人もいるかもしれないが、炊き方、食べ方の工夫で、おいしく食べられるとのこと。特徴を生かす料理にもチャレンジしてみてはいかがだろうか。
(米の鮮度の見極め方と保管のコツはこちらの記事で紹介)
全農パールライス
米穀取扱企業。品質管理部は全国の精米工場の品質管理や、食品安全の取り組み、お客様相談室の対応などを行う。また同社のホームページやYouTube、各種SNSでは、米の保管法などの消費者に役立つ記事や動画を配信中。
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取材・文=古澤誠一郎