令和6年産米が手頃な価格で入手しづらくなった今、注目されているのが「古米」だ。

古米には「新米より味が落ちる」というイメージもあるが、実はそんなことはないという。

米の鮮度を見る際のポイントや鮮度を落とさず保管する方法を、米の品質管理のプロである、全農パールライスの品質管理部に伺った。

(古米を炊くコツや特徴を生かした調理法はこちらの記事で紹介)

令和5年以前の収穫が「古米」

古米の定義は、「収穫から1年以上がたった米」のこと。日本では8~10月ごろに米の収穫が行われ、順次、店頭に新米が並ぶ。前年収穫の米が順次古米になっていく形だ。

つまり、2025年(令和7年)3月時点では、2023年(令和5年)産以前ものが「古米」となる。

米袋には産年と精米時期が記載されている
米袋には産年と精米時期が記載されている
この記事の画像(4枚)

スーパーなどで米を購入する際は、袋等に記載された「令和6年産」などの収穫時期を参考にすると見分けが付くだろう。

なお、米は野菜と同じ生鮮食品の扱いのため、賞味期限の表示義務はない。

“1年もの”ならほぼ味に遜色なし!

米は古くなるほど味は落ちるが、玄米の状態で適切に保管されている場合は、味の劣化は小さく抑えられるという。

「米の産地の倉庫等では、15度程度の低温下で玄米で保管することで、鮮度の低下を防いでいます。収穫から1年程度の古米で、そのような環境で保管されていた場合は、新米とさほど変わらない品質で召し上がっていただけます。

味に敏感な方や、食にこだわりのある方は、違いを感じるかもしれませんが、『意識して食べないとどちらが古米か分からない』と言う方も多いはずです」

ただし、適切な環境でも、収穫から2年以上が経過した古米になると、脂質が酸化して“古米臭”と呼ばれるニオイが出てきたり、水分が抜けてカタくなったり、食感がパサついたりといった変化が出やすくなってくるとのこと。

倉庫で保管されている備蓄米
倉庫で保管されている備蓄米

なお、政府の備蓄米も15度程度の適切な環境で、玄米で保存されているとのこと。そのうえで、3月下旬にも放出される備蓄米は3分の2が令和6年産米で、3分の1が令和5年産米なので、味の劣化はそこまで気にしなくてもいいだろう。

収穫時期より精米時期が重要!

むしろ、「おいしく食べられるかどうか」を見極めるうえで、収穫時期より大事なのが、袋に記載や刻印された「精米時期」から日がたっていないことだ。