しかし人間が呼吸する限り、活性酸素は必ず発生する。
そこで活躍しているのが、「スカベンジャー」と呼ばれる抗酸化物質だ。体内に発生する活性酸素を消してまわる頼もしい存在だ。

このスカベンジャーを元気に保つこともアンチエイジングのポイントとなる。

スカベンジャーを元気にする食べ物

スカベンジャーを作るためには良質のアミノ酸(たんぱく質)をはじめ、マンガン、銅、亜鉛、鉄、セレンなどが必要だ。
また、スカベンジャーを元気に保つためにはビタミン類やポリフェノールが必要で、それらを含む食材の一部を紹介しよう。

【スカベンジャーを作る栄養素を含む食材】

たんぱく質…肉、魚、卵、乳製品、大豆
マンガン…ピーナッツ、れんこん
…カキ、アーモンド
亜鉛…カキ、ごま
…レバー、ほうれん草、ひじき、あさり
セレン…大豆、イワシ
補酵素Q10 …牛肉、イワシ、ほうれん草

【スカベンジャーを外から助ける食材】

ビタミンA…うなぎ、にんじん、緑黄色野菜
ビタミンC…レモン、キウイ、いちご、緑茶
ビタミンE…小麦胚芽、アーモンド、ごま
ビタミンB2…鶏卵、牛乳、納豆
ポリフェノール…ぶどう、トマト、玉ねぎ

緑茶はポリフェノールが豊富(画像はイメージ)
緑茶はポリフェノールが豊富(画像はイメージ)

日本人が昔から飲んできた緑茶のカテキンは強力な抗酸化ポリフェノールだし、イワシや鮭は良質なたんぱく質、ごまには「老化防止ビタミン」ともいわれるビタミンEが含まれるなど、活性酸素から身を守る食材は身近にあふれている。

今はさまざまなサプリも出回っているが、不足した時の補給に留め、なるべく食事で栄養を摂ることが推奨されている。

骨粗しょう症の予防は10代から

若々しく生活するためには丈夫な「骨」も必要だ。

しかし日本人は骨に良いといわれるカルシウム摂取が昔からそれほど多くなく、飽食の現代で唯一足りない栄養素とも言われている。

女性は成長期・成人期に最大骨量を上昇させる必要あり(菅沼安嬉子著「正しく食べて健康に生きよう」より)
女性は成長期・成人期に最大骨量を上昇させる必要あり(菅沼安嬉子著「正しく食べて健康に生きよう」より)

骨密度は男女共に年をとれば落ちるが、男性は青年期にしっかりと貯蓄しているため、骨量が減っても転倒して骨折するリスクは女性に比べて少ない。

一方、女性は若い時にダイエットをする人が多く、栄養が低空飛行になりがちだ。加えて、女性ホルモンには骨密度を保つ働きがあるが、50歳前後で閉経するとその作用も衰え骨はスカスカになる危険性がある。

女性は閉経後も平均で約37年間生き続けるのだから備えが必要だ。

10代は骨密度アップの大事な時期(画像はイメージ)
10代は骨密度アップの大事な時期(画像はイメージ)

そこで菅沼医師は「女性ホルモンの分泌が盛んな10代から30代までが骨密度を上げるチャンス」だと訴える。