学校に行けるかどうかと、その子の価値は関係ありません。「学校に行きたくない」とあなたに言えたのは、子どもがあなたを信頼している証です。そして、子どもが心から安心して休めるように、家を安心できる居場所に整えることから始めてみましょう。

子どもの休みたい気持ちを否定しない

子どもから「学校を休みたい」と言われたとき、「いいよ!」と即答できる親は多くないでしょう。自分の仕事や予定の調整が必要だったり、不安を感じたりして、思わず強い言葉を返してしまうこともあります。

だからこそ、あらかじめ「こんなふうに声をかけてみよう」という心構えを持つことが大切です。

子どもの「休みたい」という気持ちを否定しないで(画像:イメージ)
子どもの「休みたい」という気持ちを否定しないで(画像:イメージ)

お話ししたように、大切なのは子どもの「休みたい」という気持ちを否定しないことです。すでに苦しい思いを抱えた上での言葉だからこそ、私たち大人にできるのは「苦しいときは休んでいいんだよ」と伝え、「1日休む」「午後だけ登校する」など、子どもの判断を尊重する姿勢を言葉と行動で示すことです。

避けたいのは「休むなら家で勉強しなさい」という言葉です。勇気を出して「休みたい」と言えたのに、心身を休めることが認められなければ、家でも居心地が悪くなり、親への不信感にもつながりかねません。子どもが望んでいるのは「休みたい」であって、「勉強したい」ではないのです。

大切なのは安心して生きていけること

「学校を休みたい」という言葉の裏には、学校での苦しさが積み重なっていることが多いのです。その子が無理をして勉強したり登校したりするようになるよりも、安心して生きていけることのほうが大切です。

まずは「安心の回復」を最優先に、睡眠・食事・日中の過ごし方といった生活の土台を整え、少しずつ社会との接点を広げます。家での手伝いや短時間の外出、別室や保健室の利用など、小さな一歩から始めると良いでしょう。

長期的には、学びの再接続を視野に入れます。在籍校での配慮、通信制や定時制、高卒認定の活用、専門学校や職業訓練など、進路はひとつではありません。立ち上がりがゆっくりでも、その子らしく育つことができる道がいくつもあることを、親子で共有しておくことが安心につながります。

『児童精神科の看護師が伝える 10代のこわれやすいこころの包みかた』(KADOKAWA)

こど看
精神科認定看護師。著書に『児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた』(KADOKAWA)がある

こど看
こど看

精神科認定看護師。精神科単科の病院の児童思春期精神科病棟に10年以上勤める。現在も看護師として病棟勤務しながら、「子どもとのかかわりを豊かにするための考え方」をSNS等で精力的に発信中。著書に『児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた』(KADOKAWA)がある